「いただきますって、どんな意味?」~命をつなぐ食育と「黄色いお弁当」のいま

2014年9月12日

「くらしはいのちのつながり」(作詞・作曲 横山一郎:高校教員)

いただきますって どんな意味?
いつもふつうに 食べてるけど
お肉 お野菜 お魚たち
みんな命だね いただきます

おいしいごはんを ありがとう
みんな残さずに いただきます
ぼくらのからだの もとになる
自然のめぐみに ありがとう

おかずをいろいろ ありがとう
農家のおばちゃん 食べてるよ
漁師のおじちゃん おいしいよ
地球のいのちは つながってる

暮らしは命のつながりさ
人間だけじゃ生きられない
お金じゃ買えないものがある
元に戻らないものがある

 先回の「校長日記」でもご紹介しました、湘南学園「全学教研」において小中接続・連携の授業「いただきます!ってどんな意味?」という報告が行われました。その素敵な歌詞が上記に紹介したものです。
 中学音楽担当教員と高校理科担当教員が、湘南学園小学校1年生と担当教員を対象に「食育」に係るコラボ授業を行った実践報告です。この「いただきます、ってどんな意味?」という創作曲を歌うことを通じて、楽しみながら食べ物が生き物からできていることを理解しよう、というものでした。理科担当教員自身が環境保護活動に係ってきた経緯から「生物多様性教育」の第一歩を念頭に生み出された、総合学園としての湘南学園らしさが浮き彫りになった実践でした。実際の授業においては保護者の皆様にも参観いただき、ご家庭での食育にも生かしていただくこともできました。
 人はものを食べ、他の生命を食することで、自らの命と種の維持を図る生き物です。野菜・魚・肉、どれもそれぞれ生命をもっている生き物です。自然のなかで生かされる子どもたち、自然と共生していく子どもたちは、「いだきますって、どんな意味?」を思い出しながら、美味しく、楽しく、保護者の皆様が創られたお手製のお弁当やカフェテリア特製・黄色いお弁当をいただいていることでしょう。

 さてNPO食育ラボのカフェテリア特製・湘南学園小学校・黄色いお弁当は、本格運用に入った2学期のいま、どのように子どもたちに受け入れられているのでしょうか。 
 カフェテリアで調整された黄色いお弁当は、注文数も増加し、お昼の時間に間に合うように湘南学園小学校のお弁当ブースに運ばれてきます。その受け取りと低学年の子どもたちへの配食と回収を支えてくださっているのが用務員の澤田さんです。
 当初、黄色いお弁当から揺れてこぼれるのを防ぐため輪ゴムをかけることを思い立ちましたが、残念ながら衛生法上の理由によりできないことになってしまいました。そこでカフェテリア・スタッフの皆さんの子どもたちへの熱意が、ある一計を案じさせました。黄色いお弁当を詰めて運ぶボックスに空気をいれたクッションを詰め動かないようにすることで見事に解決をしてくれたのです。この工夫はお弁当箱の蓋が開いてしまい、お菜などがこぼれてしまわないようにという意味があることはもちろんですが、子どもたちに、お弁当箱全体の食菜等の配置や色合いなどを楽しんでもらいたい、そして美味しくしっかりといただいて元気に湘南学園小学校の生活を送って欲しいというカフェテリア・スタッフの皆さんの願いの現われのように感じるのです。「ちいさなお客様へのおもてなし」の姿勢が現れていると思うのは私一人だけではないでしょう。