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校長日記

長いトンネルを抜けるとそこは「雪の学校」~多くの支えがあり、温かい心の交流が~

2015年1月30日

 湘南学園小学校5年生総合学習「雪の学校」が、新潟県は十日町松代・松之山地区を舞台に3泊4日の日程で行われました。東京駅集合から上越新幹線乗り場へ速やかに移動。列車が越後湯沢に到着するとそこは雪国でした。そこからほくほく線臨時列車に乗り換え、一路松代へ。松代駅には、「雪の学校」を様々な面でサポートしてくださる、十日町市役所松代支所地域振興課のIさん、公益財団法人雪だるま財団理事長のKさん、NPO法人ふるさとわっしょい理事長のKさん、また宿泊所の方々など、「雪の学校」を支えていただいている皆さんが待ちうけ歓迎をうけました。

 子どもたちも興奮気味です。「雪の学校」開校式を終え、初日のメインイベントは、お待ちかねの「雪あそび」です。約200m四方の大きさの斜面を使わせていただき、定番の雪合戦、「かまくら」体験、斜面を利用したスノーチューブでの滑降遊び、雪洞づくりなど子どもたちがそれぞれに創意工夫を生かした雪あそびの数々が、あちこちで独創的に展開される様は、まさしく雪あそびのワンダーランドです。

 2日目は、3mを優に超える降雪量の松之山「森の学校キョロロ」での「スノーシュー体験」と、その道の先達、松代のおじいちゃん、おばあちゃんから教えていただく「わら細工(わら草履づくり)」です。キョロロの建物の外観は、鉄錆色の30mの棟をもつL字横長のアート作品ともいえるもので、インパクトを感じたのも私一人ではなかったようです。キョロロの目的ですが、ここ松之山というブナ林、棚田、茅葺屋根の民家が点在する豊かな里山などの自然環境を地域の宝としてとらえ、その宝を展示・教育・体験・活動・里山保全・産業活性などに活用し、今までにない地域づくりを目指しているといいます。

 スノーシュー体験は、「スノーシュー」と呼ばれる現代版「かんじき」をはき、新雪に覆われた美人林という素晴らしいブナ林周辺を歩きながら、自然観察をするものです。ブナにも雪のコーティングが施され、なんとも美しく、空気の清涼さに加え、静寂がしめる厳冬の雪国体験は、自身の精神のバランスを蘇させるには格好の機会でした。慣れてくると滑るように歩く子どもたちの後を何とか遅れまいとついていくと、雪国の生活の達人であるガイドの方が、「ここがウサギたちのレストランだよ」といって子どもたちに説明を始めました。いくつもの桜の枝が雪の重さで下がってきている場所、下をみると、ウサギたちの足跡とともに、ふんがいくつも落ちていました。またその近くにオレンジ色のシロップを散らしたものを見つけ、ガイドさんにお聞きしたところ、ウサギのおしっこであるとの答えでした。厳冬期、ウサギは通常であれば食べられない枝の皮や若芽などを食べる機会を降雪の深さは保障してくれるとのことであり、ふんやおしっこもその関係で理解できたわけです。子どもたちはヒト型をつくるように新雪にバタンと倒れ、覆いかぶさるようなブナ林を見上げ何を考えていたのでしょうか。ブナ林から粉雪がぱらぱらと顔に落ちてきます。

 午後は「わら細工(わら草履づくり)」に挑戦です。松代地区のおじいちゃん、おばあちゃんから、熱心に教えていただき、それぞれに個性的なわら草履を仕上げました。

 3日目は子どもたちが心待ちにしていた「民泊」です。松代・松之山地区の皆様にご協力をいただき、雪国の冬の生活をまるごと体験させていただきました。すでに8回もの雪下ろしをしている豪雪地帯における生活の始まりは、汗をかきながらの雪かきからです。ついで雪囲い(雪の湿気と寒さを利用した野菜などの保存方法)の野菜を使用した郷土料理づくりのお手伝い、古くから伝わる室内での遊び、夜には雪国の生活や民話などをお聞きするなど、雪国の子どもとしての体験をさせていただきました。子どもたちはそれぞれに「第二のふるさと松代・松之山」という印象を強くもったことでしょう。

 最終日は、泣き出す子どもたちも見られたお別れ会を終え、越後湯沢に向かう列車に乗り込みました。すると車窓から、「またきてね まつだい・まつのやまへ 湘南学園小学校御一行様」の光景が。それを見た子どもたちの心のなかに、何か温かいものが溢れてきたように思えました。