旅立ちの朝に

2015年3月20日

旅立ちの朝に
~「修卒業式」は、こみ上げる涙のなかで~
 
 
(1年生)
お世話になった 6年生
ぼくたち わたしたち
こんなに大きくなりました
大すきなうた
「翼をください」を
いっしょに歌ってください

(6年生)
6年生になって
1日1日が大きくて大切になった
クラスのため、学年のため
学校のためにがんばった
責任が増え 大変になった分
達成感が大きくなった
1年生の小さな手が あたたかくて
私たちも笑顔になった 入学式

 
 
 次々と各学年の子どもたちの、卒業生を送る「コール」、そして歌が続きます。

 「卒業式コール」とは、卒業式のプログラムの1つで、これまでの学校の思い出などを在校生や卒業生が暗唱する、いわば卒業式のメインイベントといえるものです。これから巣立とうとする卒業生の胸に染み入るコールの響きは、卒業生のそして会場にいる皆様のこみ上げる涙を誘います。

 先日、湘南学園小学校の「修卒業式」が行われました。その特徴は、歌に始まり歌に終わる形式と表現することができるものです。子どもたちの卒業、修了・進級を、子どもたち、保護者、教職員がこぞってお祝いし、励ますものになっています。言ってしまえば、湘南学園小学校の教育的特徴の1つ、豊かで多彩な表現活動の集大成ということになるのでしょう。

 湘南学園小学校の子どもたちは、ともかく学年を超えて大変仲のよい関係、関係づくりの教育が歴史的に築かれてきています。卒業生である6年生はこの1年間、新入生である1年生の学校生活のすべてにわたるお世話係として、とりわけ濃密な関係、それは兄弟・姉妹の関係に近いものかも知れませんが、そうした人間関係を築いてきています。

 毎朝、小学校玄関前に立って子どもたちをお出迎えするのが、私の日課の始まりとなっていますが、6年生のお兄さん、お姉さんから優しく声をかけられたり、いろいろとアドバイスをしてくれている様子を見るにつけ、そうした思いを強くするのです。1年生にとって、そうした6年生のお兄さん、お姉さんとの「お別れ」は、絶ちがたい愛惜の情に包まれ、涙をこみ上げさせるのでしょう。心のこもった温かな卒業式でした。

 卒業生たちは、この6年間の出来事に思い巡らせ、いよいよこの4月から中学生に、という大きな期待と少しの不安を抱き、巣立っていきました。

 *次回の校長日記更新は、年度末・新年度対応のため、4月10日となります。