“いじめを生まない学校づくり”目指して①

2016年12月6日

 一昨日の4日(日)、文部科学省講堂にて、平成28年 教育改革「第3回いじめ問題 国際シンポジウム」“いじめを生まない学校づくり”が開催され、これまでのシンポジウムの紹介と、各国の研究者が各自の研究成果を報告し、いじめの実態や対策についての情報交換を行いました。日曜日でしたが、全国各地から教員・カウンセラー・研究者・行政関係者らが参加しました。
 
 「互いに支え合う瞬間が大切。」「先生方がやらないと変わりません。」という言葉が今も耳に残り、“いじめを生まない学校づくり”を目指して一歩を踏み出さなければなりません。10年に一度のシンポジウム。今回は、3回目でした。まずは、第1回、第2回の振り返りと報告から下記のことを学びました。
 
・1996年6月の第1回シンポジウムでは、
→いじめは日本の文化や社会に根ざした日本固有の問題という見方が否定され、多くの国が共通に抱える問題であることが明らかになった。
→その一方で、各国のいじめ対策に違いがあることなどから、その実態にも差がある可能性も出てきたこと。
 
・2006年2月の第2回シンポジウムでは、 
→前回の疑問に答えるため。共通の質問紙調査票を用いた国際比較を実施。1年半にわたる3回の追跡調査を4カ国(日本・オーストラリア・カナダ・韓国)で実施。
→日本は「暴力を伴ういじめ」が他国よりも少ないが、「暴力を伴わないいじめ」が多いことが明らかになりました。
 
※共通調査票での項目は
①仲間はずれ・無視・陰口
②からかう・悪口
③軽くぶつかる・叩く・蹴る
④ひどくぶつかる・叩く・蹴る
⑤器物破損・金銭強要
⑥パソコンや電話で
 
 
・2016年12月4日の第3回シンポジウムでは、
1つめ
→今回の最初の話題は、10年前に明らかになった日本の特徴、「暴力を伴ういじめ」が他国よりも少ないが、「暴力を伴わないいじめ」が多い理由や背景を考えること。
→そのために、日本と同様に「暴力犯罪の少ない国」であるスウェーデンとの比較調査を実施。
 
2つめ
→全児童を対象とした取り組みにより、いじめ未然防止として効果を上げているという事例を、日本とオーストラリアから紹介。
→確かに成果を上げる際のポイントの提示。
 
3つめ
→第1部、第2部の話題を踏まえて、いじめ問題の解消に当たっては、「地道な学校改革が、必要かつ有効なのではないか」という点について、スウェーデン、オーストラリア、アメリカ合衆国の研究者とともに検討。
 
(次号へ続く)