本を読む子ども ~集中力~

2016年12月17日

「夢中になっている時には、そっとしておく。」
このことを心掛けて子育てをしてきました。

 途中で「ご飯ですよ。」「時間ですよ。けじめつけて。」なんて声を掛けてしまうと、集中力が途切れてしまうと思うからです。

 凄かったなぁと思ったのは、小学3年生の時。それまで本を読まなかった我が子がドラえもんの本にはまりました。前日に、図書館で借りれる冊数だけ借りに行きました。昼ご飯の時に声を掛けようか迷いましたが、そのままそっとしておきました。本を読む時間が少しでも長く続くようにと願いながら、音も立てないように家族は気をつけて過ごしたことを思い出します。
 
 時計の音が響き、時間が過ぎていきます。何と8時間本を読み続けました。気づくと夕方。

「こんなに時間がたっていたんだ~。」
「疲れた。」
「お昼かなとも思ったけど、面白かったからそのまま読んじゃったよ。」
という感想とその時の情景は今も鮮明に覚えています。後にも先にも、その時に目の当たりにした「集中力」の凄さを上回ることはなかったと記憶しています。

 

 先日の話を2つします。1つ目は、保護者から今年をふりかえってのお手紙をいただいたことです。

“小学生の我が子が母より本を読むので、色々な知識が増えてきて、会話が面白くなってきました。” という一文に思わず嬉しくなりました。
 
 2つ目は、一昨日「アオサギ」が小学校の隣のお家の屋根にいるところを子どもが見つけ、呼びに来てくれました。

「アオサギだ!」
というので、

「どうして分かるの?」
と聞くと、

「図鑑に書いてあるからね。」
と博士なみの答えが返ってきました。また、

「本当はこの時期、暖かいところにいるはずなんだけど。間違えちゃったんだね。」
とのこと。図鑑博士が何人かで専門的なことを話していて頼もしいです。
 
 今日も朝7時30分から、メディアセンターで本を読んでいる子がいます。声を掛けずに、そっとしておきました。静かないい時間です。邪魔をされない貴重な時間、心が豊かになる貴重な時間です。休み時間にもメディアセンターで読書を楽しんでいる子どもが沢山います。「本との出会い」から人間としての幅も膨らみます。読書を呼びかけ、学校としてもより一層「読書活動に力を注いでいきたい」と決意しました。