第2の誕生

2013年2月21日

ルソーは「人間は二回誕生する。生まれたときと、そして思春期だ。」と言いました。子育てが終わった立場から言えば、まさに思春期は嵐の荒れ狂うような時期でした。親がそう思うのですから、子ども本人の内面はもっともっと激しい葛藤の中にあったことでしょう。そして大人たちは、うっかりするとかつて自分自身の中に吹き荒れていた思春期の葛藤を忘れてしまいがちです。その原因の多くは、大人自身が仕事や生活で、精一杯な毎日を過ごしていることにもあるのです。

今年も4年生と2年生で宗藤純子先生をお招きし、親子で「誕生学」のお話しを聞いたわけですが、子ども達はもとより、むしろ大人たちが学ぶことが大切なのだと思います。「命・体・性・思春期」というテーマは子ども達も、大人も、生涯にわたって、学び続けなければならない課題です。「寝た子を起こすな」という言葉があります。それは「差別」「命 身体 性」といった課題に目を背ける言葉でもありました。しかし私の教師体験の中で言えるのは「寝た子はすでに起きている」ということです。その事実に目を背けるのではなく、だからこそ命、身体について科学的で、かつ人間らしい学びを子ども達に提供する必要があります。宗藤先生の授業は、そのための大切な第一歩です。