公開研究会2015

2015年11月17日

11月7日、本校では「公開研究会」を開催しました。
2校時目に全学級の授業公開、3校時目に「国語」「算数」「総合」の研究授業を行いました。

【研究主題】

「学び合い」 つなげる学び・つながる学びの探究を目指して
 ~学ぶって、たのしい。わかるって、うれしい。~

 
この研究主題は、今回の公開研究会の全体の根底に流れるテーマです。

湘南学園では2011年度より幼・小・中高の全教職員参画型の全学教研を毎年実施してきました。これは総合学園としての湘南学園が目指すべき目標と各パートの教育的課題設定とその取り組み、そして総括を含めた研究会になります。2009年度の教育研究部設立以来、今年度2015年度まで研究主題「学び合い」をテーマに校内授業研究会や研修会、学習会を積み重ねてきました。そして、2012年度には公開研究会を開催し、「つなげる学び・つながる学び(学び合いを支える活動の探究)」の実践に力を注いできました。

この間、教材と子どもたち・授業者と子どもたち・子どもたち同士・単元と単元等、多面的なつながりを見出せ、取り立てて子ども同士のつながりからは、より深い学びへと発展していくことがわかってきました。

これを踏まえ、より実践的な「学び合い」を探究し、本校の目指す「子どもたちに安心出来る子ども時代を保障する」ため、“わかる授業”の研究と実践を重ね、今回の公開研究会へつながってきました。







基調報告では、共同研究者である佐藤隆氏(都留文科大学教育学教授)によって、「わかること」とはどういうことなのか、というテーマについてお話いただきました。

研究授業の合間には、6年生の有志による民舞の発表がありました。力強い「湘南ソーラン」のパフォーマンスには、参加者の方々から盛大な拍手をいただきました!



国語の研究授業のテーマは「ともに学び合う国語の授業」。
教材は宮沢賢治の『注文の多い料理店』です。全15時間という1つの教材としてはとても多い時数を当て、本時は13時間目。長い時間かけて読みを深めてきました。宮沢賢治の作品は、想像力をかきたてる読めば読むほど味の出る作品です。この物語の持つおもしろさを発見するとともに、発見したこと・気づいたこと・よくわからなかったことをお互いに語り合いながら読みを深め、クラス全体でこの物語がもつ価値や意味について考えていきました。



算数の授業のテーマは「学びをつなげるかけ算の授業」です。
本校では、かけ算の学習に「チポリーノの冒険」を元にした物語仕立てで授業を行っており、算数が嫌いな子でも、ストーリーから好きになっていく楽しく参加できる点や、物語を読み進めていくことによって、かけ算の意味を理解するきっかけを掴んだりしています。
今回の研究授業では、すでに30時間以上かけ算を学習している状況の中で、文章題でたし算の問題と比べながら、かけ算と足し算の違いに気づき、かけ算の意味についてよりいっそうの理解を深めました。



総合の授業のテーマは「川から水へ 人に学び 自然に学ぶ」です。
4年生は総合学習で「水」をテーマに学んでいます。3年生に「海」について学び、川の河口からさかのぼり「水」へとつなげて学習をしています。子どもたちが「水」の大切さを理解するために、河口観察や寒川浄水場見学など、さまざまな体験活動やアプローチをしてきました。研究授業では、これまでの体験をもとにして、自分たちが今後、境川の何について調べていけばよいのかを考えていきました。そこから河口の水の問題点を見つけ、「水」の大切さを理解するきっかけになることを期待しています。グループ活動の時間を多く取り入れた授業は、子どもたちの発言が教室に響きわたり、とても活発な雰囲気で展開されていきました。



そして、授業終了後の分科会では、発問の仕方や子どもたちのやり取りにおけるポイント、グループワークの活用方法、子どものつぶやきを如何に拾っていくかなど、様々な視点からたくさんの貴重なご意見をいただきました。

 

今回の公開研究会は、「学び合い~つなげる学び・つながる学び~」をテーマとした本校の教育研究の取り組みを公開し、さらなる研究の一助とするものです。子どもたちが持つ個の生きる教室にすることで、また、個と個がつながっていきます。そして、互いの考えや思いを共有することを楽しみ、学びを通してつながり合えたとき、さらに生き生きと輝く子どもの姿が見えるはずです。子どもたちの学びを支えるために “わかる授業” “学ぶ楽しさ” の感じられる授業を実践できるよう、今回の研究会で得たものを今後につなげて、さらなる教育実践に役立てていきたいと思います。
 
最後に、今回ご参加いただいた方に御礼申し上げます。ありがとうございました。