6年「算数」研究授業

2013年11月2日

10月30日(水)の5時間目、6年あしがら組で算数「円」の研究授業を行いました。
円周を計測する実験を通して、円周と直径が正比例の関係であることを調べる授業でした。
当日の研究授業を迎えるにあたり、算数教科会・6年学年会の先生方と共に何度も指導案(授業の内容)を検討しました。また、11年度のプレ公開研から共同研究者としてご協力を頂いている渡辺恵津子先生(大東文化大学准教授)からも、的確なアドバイスを得ながら授業づくりを進めてきました。
 
さて、研究授業は大・小の一輪車を使った実験からスタートしました。

「それぞれの一輪車のタイヤを1回転させて2つを比べてみると、どんなことが予想されるか?」

と問うてみました。子ども達からは間髪入れずに「大きな一輪車の方がたくさん進む!」との反応がありました。一輪車をよく観察して違いを見つけてみると、円周(タイヤの周りの長さ)と半径(ここでは半径×2=直径を確認しました)に違いがあることが分かりました。そこで、「進んだ距離の違いは直径の違いに関係がありそうだ。」という予想のもとで、直径(タイヤ)をもとにして一輪車の進んだ距離がどれくらいだったかを実験して確かめることに。すると、大・小の一輪車の進んだ距離は、「両方ともタイヤ3個分とちょっと!」ということが分かりました。さらに、「中くらいの一輪車でも同じ関係性が見られるのか?」ということで、同様の実験をしてみました。やはりここでも「3個分とちょっと」という結果が得られました。



ここからいよいよ授業の山場に入っていきました。一輪車の実験から「直径と円周には何か関係があるかもしれない?」ということが分かったので、色々な物の直径と円周を計測して、その関係性に迫っていくことにしました。各班(全部で9班)で用意したお菓子の缶・コマ・1円玉・CD・茶筒などを、定規・紙テープ・メジャー・紐などを使って計測スタート。


どうにか円周は計測できたものの、直径の計測については相当に悩んでいました。班員で色々な方法を試してみますが、どうしても、「たぶん」や「おおよそ」という計測になってしまっています。正直、大人でも正確に直径を計測するのは難しいものですよね。予定していた計測時間の15分はあっという間に過ぎてしまい、さらに時間を延長してみたものの、決め手となる計測方法が見つかりません。残り10分の授業内容を方針転換して、各班がどのようにして直径を計測したかを交流することにしました。







残念ながら、授業はここでタイムアップとなりました。本来ならば、計測値をもとにしてグラフ化していき、直径と円周には「正比例の関係がある」ところまで押さえる予定でした。(研究授業の翌日、より正確な計測方法を議論した後、グラフ化していく授業を行いました。グラフ上には、原点を通る直線が見事に出来上がりました。)

授業は目標としたところまでには至りませんでしたが、
子ども同士が知恵を出し合いながら計測していたこと(子ども同士のつながり)、
これまでの学習内容を生かしながら考察を立てていたこと(学習のつながり)に関しては、大きな収穫を得られた研究授業となりました。緊張感からなのか、教師が冷や汗を垂らしながら授業を進めていく中で、子どもたちが生き生きと活動してくれたことは感謝の気持ちでいっぱいです。
 
子どもたちが下校してからは、渡辺先生を交えて教員による「授業後検討会」を行いました。授業の構成や子どもへの問いかけ、教師の実験方法(一輪車の実験)の是非について、子どもたちが計測する上での条件づくりや環境づくり等々、多岐に渡って質疑応答・意見交流を行いました。今後、我々が目指す『わかる授業』を作り上げていくためにも、「子どもたちの探究心をくすぐるような発問や実験を追究していきたい」、そんなことを再認識できた検討会となりました。