イングランドセミナー 5日目

2014年3月28日

 今日は、通常のEFLの授業で英語学習漬けの1日でしたが、2時間目にホールに集まってくれたセントジェームズ校の Year 8(学年は日本でいう中2生ですが年齢は12歳と13歳)の生徒達の前で、湘南学園生が、日本文化のプレゼンテーションと『コスモス』の合唱を披露しました。

 練習なしのぶっつけ本番ではありましたが、『コスモス』の合唱は、ホール全体に響き渡り、練習よりも1番きれいなハーモニーをかもし出してくれました。日本語の歌詞の意味は、セントジェームズの生徒達にはもちろん分かりませんが、学園生が歌うきれいな旋律は、きっと日本の心を伝えるものになったと思います。カナルさんのソプラノとリョウガくんのテノールが合唱全体をグーンと引き上げ、セントジェームズの生徒達が学園生の歌に引き込まれていました。

 日本文化のプレゼンテーションは、今朝、急遽 、ルネくんとショウタくんとテツヤくんにも加わってもらい、合計8名で行うことになりました。トップバッターは、昨年もセントジェームズを訪れたアサカちゃんです。彼女は、『日本独特な習慣』と題して、おじぎやポケットティッシュ(駅などで広告のために配っているもの)やマスクについて紹介してくれました。続いて、ショウタくんが『日本の休日』の中で子どもの日を取り上げ、そこで鯉のぼりや柏餅や兜(かぶと)を、3番目のテツヤくんは『七夕祭り』で彦星と織姫の恋物語や平塚七夕祭りでのオブジェや屋台などを、次のミサトちゃんは『お月見』での団子や月見うどんやマクドナルドの月見バーガーなどを、5番目のタクミくんは『日本のお寺』と題して、金閣寺や銀閣寺、清水寺や鎌倉の大仏など を紹介してくれました。みなパワーポイントを駆使して、とても分かりやすくプレゼンが出来ました。この後、リョウガくんの『カラオケ』、ルネくんの『武道』、そして、アツヤくんの『回転寿司』を予定していましたが、都合により、これら3つのプレゼンは明日のフェアウェルパーティーで行うことになりました。

 『コスモス』の合唱と日本文化プレゼンテーションの後、セントジェームズスクールのBBC委員会の生徒達が、学園生のモモちゃんとアヤちゃんとリンちゃんにインタビューに来ました。インタビューの様子は、毎朝のホームルームで放映されるセントジェームズBBCにて明日の朝流されるそうです。3名の学園生達は、僕のサポートなど全くいらずに、すごく楽しそうにもちろん英語のインタビューに英語で答えていました。もう彼らの中に英語を聞いたり話したりすることに対する壁がほとんどなくなったようで、英語を運用することの楽しさが彼らの中に根付いて来たように思われます。嬉しいですね!

 EFLでの英語の授業の方も、だんだんと子ども達の耳が慣れて来たようです。アンドリュー先生の授業では、イギリスの大学入試のシステム(日本の高3にあたるシックスフォームの話など)について教えてもらったり、ジル先生のクラスでは、クリスチャンにとって最も重要なイベントであるイースターについて教えてもらったり、明日のフェアウェルパーティーのホストファミリーへの招待状を作ったりしました。

 ここで大変悲しい話 に移ります。今朝、登校するとセントジェームズの何人かの女子生徒が涙を流してとても悲しそうに泣いていました。「朝から喧嘩でもしてしまったのかな?」と思っていましたが、その理由は、昨日、セントジェームズの女子生徒がひとりお亡くなりになったそうです。彼女は12月に癌にかかっていることが分かり、その後、わずか3ヶ月で短い生涯を閉じることになってしまいました。セントジェームズでは、図書館の前に彼女の大きな写真が飾られ、その周りに彼女のスナップ写真やメッセージなどがでデコレーションされました。この状況を知った学園生の中のミナトくんが、ある提案をしました。「今日の夜、各自ホームステイ先で千羽鶴を折って来て、それを明日彼女の遺影に捧げよう!」こんな話が生徒の中から飛び出して来たんです! 僕は、「学園生たってなんて心が優しい子ども達なんだろう!」と改めて実感させていただいた次第です。明日は、みんなで彼女の冥福をお祈りさせてもらいます。