イングランドセミナー 4日目

2013年4月1日

 今日も朝は肌寒く、早朝にはわずかばかりの粉雪が、空からふんわりと落ちて来たりもしていました。しかしながら、湘南学園生達の心は、今日も熱く熱く燃えていたようです。
 昨日の夕方から夜にかけては、エミとクルミのホストファミリーが、そして、カナとミヅキのホストファミリーが、それぞれ合流して、子どもの学校に出かけたり、一緒に夕食を食べたりして湘南学園生達をもてなしてくれたようです。朝の朝礼前には、その話でずいぶんと盛り上がっていました。朝礼前には、セントジェームズ校のバディーの生徒達以外にも、大勢の生徒達が、湘南学園生の周りに寄って来てくれて、自然な流れで子ども達同士の交流が早くも始まっていました。彼らは、笑い合い、ふざけ合いながらおしゃべりしたりしていました。
「一体子ども達同士って、どんなことをしゃべっているんだろう? なんでこんなにもすぐに打ち解け合えるんだろう?」と疑問を抱いてしまうぐらい仲良くやっている彼らの様子を見て、本当に本当に心から嬉しくなりました。ユイハやリカらは、イギリスの超人気グループのOne Directionの歌を一緒に歌ったりもしていたんだそうですよ。
 
 さて、今日の朝礼は、Year 9(中学3年生)の学年集会でした。湘南学園生は全員、セントジェームズの中3生と一緒にホールに集まり、それに参加しました。はじめは、国際連合が作った世界の青年達の交流や国連の活動を紹介するビデオを見て、それに対しての追加説明をセントジェームズ校の先生から聞いて、最後に、この学期を終える(セントジェームズ校はイースターbの休暇を含めて明後日から約2週間のお休みに入ります)にあたって、いろいろな表彰がありました。皆勤賞や成績優秀賞、努力賞やリーダーシップ賞など、かなりの割合の生徒達がこれらの賞をもらってみんなにたたえられていました。賞状を渡す先生方が、Fantastic!Well done! と、とても気持ちよく子ども達を称えていたのが大変印象的でした。そして、僕達湘南学園のセントジェームズ校訪問についても、心から待ち望んでいたこと、こうした青年同士の国際交流は本当に大切なことであることについても、メッセージを戴きました。
 
 午前中のリセスタイムまでは、今日も1ターム目は1時間55分のロングランの英語授業です。わずか2日間ではありますが、みっちりと英語漬けになったせいでしょうか、子ども達の英語への理解力はみるみるとついて来ているように思えます。先生の問いに対して、ちゅうちょなく返答している様子がとても数多く伺われました。実は、イングランドセミナーへの参加を決める前に、ユウキから英語にあまり自身がないのだが、どうしたらいいだろうかという相談を受けました。「ポジティブシンキングでとにかく英語に飛び込んでみよう!」というのが、彼のその時のファイナルアンサーでした。そして、今、こうしてオールイングリッシュの英語の授業を受けているのですが、まったくためらいなく、ぐんぐんと英語に突っ込んで行っている彼の姿を見させて戴いて、胸がとても熱くなりました。
 
 アンドリュー先生の授業では、このタームでは、午後に行うクリケットについての説明や、イギリスの学校生活や大学受験の話といったアカデミックな内容でした。大学受験を受けるためには高校を卒業した後、シックスフォームと呼ばれる課程に進まなければならないこと、それを修了するためのAレベルテストと呼ばれる統一試験を経て、6つの大学を自分で選んでその中のどの大学に自分に適しているかを判断して進学を決めることなど、日本とは異なるシステムがあることを知りました。
 
 リセスタイムでの楽しい交流の後は、今日はここデイボン地方独特のスコーンと呼ばれるお菓子のようなパンをセントジェームズ Year 9(中3)生20名と一緒に作りました。湘南学園生一人に対して1名のセントジェームズ生がついてくれたので、ここでも貴重な交流が出来ました。年下の男の子達の紳士ぶりにカナやイクコが、とてもとても感激していました。ヒロは、早速、Do you have sisters? と切り出して、ペアの女の子と一緒に楽しそうにスコーンを作っていました。ここでのCookingを通じて、本当に素敵な時間を過ごすことが出来たと思います。
 
 余談ではありますが、このクッキングの授業には、教育実習生の大学生が参加していました。彼女は4年間の大学生活を終えた後、実習期間として、1年間学校の現場で実習したあと、教員の資格をとるとのことでした。実習期間が1年間もあることに僕達はびっくりしたのですが、それ以上に、日本では、教育実習期間がわずか3週間しかないことを知った彼女の驚きは相当なものだったようです。イギリスの教員の質の高さがこうした制度からも伺われますね。一体、日本は、どれだけ教育に国家がお金をかけていないかをイギリスに来ると実感します。
 
 午後は、男子はクリケット、女子は、ベンチボールと呼ばれるスポーツをセントジェームズ生に混ざって体験しました。男女ともに、セントジェームズ生が積極的に湘南学園生を仲間に入れてくれたことには、とても感謝でした。何の壁もなく、本当に打ち解けてそれぞれのスポーツを一緒になって楽しんでいる様子を見て、利害関係でもって対立しあう大人の国際社会っていうものが、恥ずかしくなるほど愚かなもののように感じました。こうして、セミナーに参加した生徒達には、将来、国際社会の人と人との架け橋になってもらいたいと思いますし、彼らは、その素養を十分に兼ね備えているものと確信しました。
 世界にはばたけ、湘南学園生!