第681回 中学生の心に届けて励ます歌(1)

2013年5月28日

 元気がない時や落ちこんだ時に、1曲の歌に励まされて、また前に進んでいける気持ちになった経験は多くの人にあることでしょう。自分にも何回かあった気がします。
 今の中学生や高校生にもきっとそうしたことがあることでしょう。在校生に知ってほしい新しい歌を1つ紹介します。先日放映されたTV番組に心をとめてまとめてみます。

 

 第80回を迎えた「Nコン」(NHK全国学校音楽コンクール)中学校の部の今年の課題曲です。湘南学園の創立80周年と歩みが一致するのも嬉しいです。
  ゆずのつくった「友~旅立ちの時~」という歌です。ゆずは、横浜の路上ライブから活動を始めて日本を代表するフォークデュオの1つになりました。北川悠人氏も岩沢厚治氏も、伸びのある素晴らしい声とメッセージあふれる歌の世界が全国のファンを惹きつけてきました。

 

 今回の歌は、北川氏が大震災直後に作り始めて練っていき、大切な歌として取っておいた曲だそうです。紹介された岩沢氏はすぐにゆずにとって大切な曲の1つになると確信し、Nコンの話を受けて満を持して二人でまとめた歌になりました。
 「中学生の心に響いて、力の沸いてくる曲にしたい」「大きな夢や前に進む気持ちをこの歌を通して感じてくれたら」というのが北川さんの願いでした。この歌を最初に歌えた合唱団のメンバーからも、次々と熱い共感が寄せられていました。

 

 北川氏は語ります。「自分の中学時代は必ずしも楽しかったとはいえなかったです。“自分って何だろう”“いる意味あるのかな”と悩んだ時期もありました。不安や否定的な気持ちの方が強かったです。でも同じような不安や悩みを抱く仲間がいて救われたし、その時に気づかずに乗り越えて、音楽をやっている今の自分につながっています」「だからいま中学生のみんなが立ち止まったり迷ったりする時に聞けるような、歌えるような曲にしたかったです」と。
(明日へつづく)