第700回 夫婦の絆・家族の絆を見つめる(1)

2013年6月19日

 梅雨らしい日々になりました。天気予報も少しずつ変わるので、毎晩毎朝のチェックは欠かせません。TVのデータ連動の地域情報をよく観ています。

 

 今日はあるテレビ番組を紹介します。TVはそんなに観る方ではないですが、画面の番組予報をチェックし、気になる番組を予約録画して後で観るのが中心です。一番関心のあるジャンルはドキュメンタリー系です。

 

 日テレ系の『NNNドキュメント』。毎週気をつけている番組の1つです。1970年放送開始という長寿番組で、日曜日の深夜(月曜日の早朝)に放映されています。全国各地、約30もの放送局のネットで維持されており、毎週各地方の局が制作した番組が流れます。現在注目の社会問題から地域の暮らしまで幅広い題材の中から、教育・家族・福祉・雇用・環境・平和などをテーマに編集されています。

 学生時代から時々視聴してきました。地方放送局の丁寧な取材ぶり、使命感の深さや高い力量が印象的で、ジャーナリストの良心が心に届く素晴らしい番組です。

 

  今回は、今週放映された特集『ふたりの桃源郷~最終章~』を紹介します。通常の倍近い55分枠で、山口放送局が制作した番組です。

  主人公は田中寅夫さんとフサ子さんの夫婦です。大戦後まもなく二人は山口県岩国市の山林地域へ入って山を切り開き、電気も水道も通らない環境の中で農林業を始めました。「食べていくだけの物は自分で作る」とほぼ自給自足で暮らし、大変な苦労の中で子ども達を育てました。
 番組は、山で暮らす夫婦とそれを支える子ども達家族に、23年間もの長期寄り添い取材を続けて編集されたものです。世間の注目を広げた『ふたりの桃源郷』シリーズは放送大賞を受賞し、その“最終章”に至りました。

  一度は大阪に出て個人タクシーを営んだ田中家は、還暦を過ぎてまた山に戻り、田畑を耕して慎ましく暮らし続けます。子ども達の家族は両親を旅行に誘って、山を降りて老い先を共に暮らそうと提案するのですが、父と母の想いは変わることはありませんでした。(明日へつづく)