第704回 「出生数過去最低」の社会を前に

2013年6月24日

 先週、ある新聞の社説で、「出生数過去最低」を主題とする解説がありました。まずその要旨をまとめてみたいと思います。

 

 ・・・・・・2012年の出生数は全国で約103万7千人となり、過去最低を更新しました。出生率はやや回復していますが、日本全国の「人口減」の大きな流れは避けられそうにありません。その背景と対策を考えてみましょう。
 結婚を望み、子どもを産みたいと思っていても、それが実現できない社会の現状があります。たとえば横浜市が先ごろ実現した「待機児童ゼロ」政策も歯止め策の有効な一つですが、根本的な動向を直視しなければなりません。

 

 晩婚、晩産化の傾向が続き、独身率も上がっていることです。特に若い世代の失業率が高く、非正規雇用の割合が高まって、雇用や収入が不安定な状態では、結婚や出産をためらうのは当たり前でしょう。
 若い人びとを景気の安全弁と見なし、働く者が使い捨てられ、非正規雇用が放任されていては、子どもを産みたいと思えるはずはありません。年金や医療など社会保障制度の維持も懸念されます。出生率の向上を図る国や自治体、民間の子育て環境改善策の重層的な積み重ねが必要です。男性も育児に参加できる働き方を企業も推し進めるべきです。若い世代の雇用を安定させ、結婚して子どもを産み育てやすい社会環境を本気で整備しなければならないのです。

 

 ・・・・・・以上が社説の概要でした。ライフスタイルの多様化も現代の新たな傾向であり、保守的な議論を自戒する必要もあることでしょう。
 しかし筆者は基本的に、在校生の皆さんと卒業生の諸君が、そしてもちろんわが子達が、いずれは温かい家庭を築き、子育ての楽しさや醍醐味も経験してもらいたいと思います。癒しや憩いに満ちた家庭と、生活の拠点となる仕事に恵まれて、安心して子育てに向かっていけるように願うものです。