第134回(1) 創立77周年を迎える湘南学園

2010年11月13日

来週月曜日は11月15日で、湘南学園の77回目の創立記念日にあたります。今年度は休校となります。
1933年(昭和8年)に、湘南学園は誕生しました。世界恐慌の影響が続く中、ドイツでナチス政権が登場し、米国では「ニューディール」が開始され、日本が国際連盟を脱退した年にあたります。時代は次の大戦へ向かっていたのです。
この地域に在住の住民、有識者の方々が自分達の子ども達のために、本物の教育を求めてまず小学校と幼稚園を設立されました。戦後、中学校と高等学校が設 立されて総合学園となりました。中高の一貫教育の体制が確立されてから、もう十数年が経過しています。そしてきたる創立80周年へ向けて、全学の記念事業 を具体化する「チーム湘南学園」の協議が始められています。

湘南学園の建学の精神は、第4代学園長の大久保満彦先生が明確に表現され、その後本校理念を表現する大黒柱となりました。

個性豊かに、身体健全、気品高く、明朗で実力があり、
社会の進歩に貢献できる、有為な人間の育成

第8代学園長の藤岡貞彦先生は、建学の精神を踏まえてさらに、21世紀のグローバル時代を踏まえた中高教育の課題について、

世界に通じる、良識ある市民の育成

という視点を提唱されました。

特に本校の総合学習=特別教育活動は、建学の精神に沿って20年以上系統的に追究してきた独自の取り組みです。世界を見渡すと、国際的な課題が山積して います。経済の世界ではむき出しのグローバル競争の規制は難しく、人間の生命や生物多様性そして地球環境がいたるところで深い危機にさらされています。諸 民族の相互理解と尊重や友好交流は、前進と後退を繰り返しつつより高い段階へ向かっていると信じたいものです。日本の社会でも、数々の困難をかかえつつ、 様々な人びとの努力や模索が続けられています。
中高6年間のステージで、生徒諸君が地道に学習に取り組み、豊かな体験や交流を重ねて、元気で大学~社会へと進んで、それぞれの幸福を築いて欲しいと願うものです。

そうした意味で、湘南学園の建学の精神は、今日の日本と国際社会の状況に照らして、ますます的確に、普遍的な光を燦然と発していると考えています。
このメッセージをより深く、我々が日々の教育実践と結びついて深め、共有していくことで、湘南学園のスクールアイデンティティを確立していくことができるのだと認識しています。