第788回 ナンキンハゼ~紅葉の美しさ

2013年11月26日

「紅葉」といえばモミジ、「黄葉」といえばイチョウがそれぞれ代表的でしょうか。この時期は毎年、紅葉や黄葉を楽しみにしています。
小春日和に恵まれた休日には、努めてどこかへ行くようにしています。神奈川や東京にも、お気に入りの素晴らしい公園がいくつもあります。

 

数多い樹木の中で、「ナンキンハゼ」は特に気になる紅葉の名木です。中国原産の落葉高木で、ハゼノキと同様にロウを採るのにちなんだ名前だそうです。
写真の葉っぱは、数本のナンキンハゼから落ち葉を拾って、黒いテーブルに並べてみたものです。赤、茶、黄、さらに緑まで基調に、いろんな色合い~グラデュエーションがあって本当に綺麗です。葉っぱの形も気品がある独特の菱形が可愛いです。思わず童心にもどって妻と二人で拾い集め、自宅で並べてみたものです。

ナンキンハゼは、夏に長い穂の形をした黄色い花が咲きます。花の後にできる実は、秋に黒く熟してはじけます。中から3個の白い種子が顔を出します。
果皮が落ちても種子は長く枝に残り、様々な鳥が食べることで周囲に散布されるそうです。この実から油を取り出してロウソクを作ることもできるそうです。

 

場所は立川の国営昭和記念公園で、時々行くようになりました。広大な公園は、11月に紅葉・黄葉の天国となります。ナンキンハゼが一番集まる区域は、赤く染まったドウダンツツジがコンビになり、美しい景色を支えてくれます。晩秋の美しさに浸るひとときに恵まれます。

 

童謡の名作「ちいさい秋みつけた」の最後の方に、“はぜの葉赤くて 入日色”という一節があるのを思い出します。生徒諸君には、秋の芸術ともいえるこうした風景にも、身近な街や公園で気をとめてほしいなと思います。