第877回 携帯・スマホ時代の中学生&高校生へ③

2014年4月26日

 昨日からの続きです。ここまで二回、中高生の間で携帯スマホなどに関わる時間がいかに長くなったか、LINEが便利な一方で中高生の生活にいかに大きな影響を与えているかにふれてきました。「このままではいけない、つらいな」と感じながら、適当な折り合いをつけられない若者の悩みに注目する必要があります。
筆者はメールはしますが、フェイスブックもツイッターもLINEもしていない現状です。わが子達に、また卒業生や在校生にも誘われたり勧められたりしますが、距離を置いています。実際にやってみないとその功罪が体験的に理解できないのは事実ですが、時間がもったいないし、他にやりたいことがいっぱいあるからという感じです。

 

特に心配になるのは、高校生はもちろんですが、より抵抗力の弱い中1新入生を始め中学生の生活の変化と実態です。新しい学校、クラス、クラブ等でアドレスを交換し、携帯やスマホを使ったやり取りが広がっていくと、思わぬトラブルが起きやすいものです。友人関係にひびが入る嫌がらせや、特定の人を中傷したり外したりするいじめにつながることが、どこでもあり得るからです。
本校でもこの問題に重大な関心を寄せて、啓蒙の機会を増やしてきました。新入生対象の「携帯電話安全教室」を本日開いて専門家による指導をして頂くのもその1つです。各学年やクラスで新年度に入って改めてガイダンスに位置づけており、生活指導のセクションでも年間を通した重点課題にあげ、他校や警察からの情報収集にも努めて対応強化をはかっています。

 

この問題は、ご家庭でもご苦労が多いことは容易に察しがつきます。学校でもご家庭でも使用のルールを決めるべき事柄です。時には話し合いも必要です。使用時間や使用場面を各自が自覚し、適当な距離を保つことが大事になります。 何よりももっと直接に面と向かっておしゃべりし、対話し、時には忠告や助言と傾聴も成り立つような人間関係を大事に考えて、積み重ねていってほしいものです。
そして、ふだんの時間を大切に、時には身のまわりの景色や街の風情、道を行き交う人達の様子や季節の移ろいに、もっと目を向けてほしいなとよく思います。いま季節は春爛漫です。色とりどりの花々や鮮やかな新緑はこの時期だけの贈り物です。ここ数回の通信の写真もこの時期の光景からとっています。自分の生活圏にも心を癒やされる風景はたくさん見つけられます。若者達にも意識的に目を留めてほしいなと思います。