第895回 豪州ノックス校への中期留学を語る ①

2014年5月26日

今日は、昨年度末にオーストラリア・メルボルン市のノックス校へ、2か月近い中期留学に挑んだ、ある在校生について紹介します。

2月上旬から3月下旬まで、湘南学園と友好協定を結んでいるノックス校へ、単独で出かけたのは、現在高校3年生の藤原尚之君です。今回の貴重な体験をじっくり語ってくれたのでぜひ紹介したいと思います。

 

藤原君は、自分の意志を強く持って自己の意見をしっかり主張できる、存在感のある青年です。野外活動部に所属し、釣りをこよなく愛好してきました。英語が得意で、今回の志望理由書(英文)を読んだ時は、高校生離れした英語の構文力のレベルにしびれました。

彼にとって、高1の終わりに本校の第1回イングランドセミナーに参加した体験は、目を海外に広げる大きな契機になったそうです。初の海外旅行でしたが、10日間はあっという間でした。また高1と高2で、ジャパンツアーで来日したノックスの生徒達と休み時間など交流の場面で仲良くなったことが、今回の留学を後押してくれました。欧州へはいずれまたじっくりと旅をしてみるとして、今回はノックス校の友人や知人を頼りに、一人で2か月豪州の地で挑んでみようと思い立ったのです。それでは藤原君の留学体験について聞けた話を、彼の語りのスタイルで紹介させて頂きます。

 

・・・フライトなどの手配も自分の手で行い、シンガポール経由でメルボルンへ向かいましたが、まずシンガポールの一泊二日で貴重な経験をしました。日本円入りの自分のポーチをいきなり紛失したのです。移動中の電車内で気づき、早々とショックを受けました。それでも一人旅の人達が泊まるゲストハウスでは、豪州、英国、ドイツ、トルコなど世界各地からの人達と交流できてわくわくしました。そして空港内のターミナル間を移動する際に、奇跡的にポーチが届いたのです。異国の見知らぬ人達の善意にも感激する経験になりました。

ノックス校では懐かしい再会をしながら、授業では自分で選んだ6つの履修科目を受講しました。「ドラマ」の授業が特に面白くて、大まかな示されたシチュエーションをもとに、2~3人または8~9人のチームが配役を決めて即興で演じるというものです。週3~4回のこの授業は最もスリリングでした。「経営学」や「ホスピタリティ」など実用的な授業もあり、将来何か起業に関わりたいと考えている自分にとってヒントになる事が多く、様々な知的な刺激に恵まれました。

 

印象的だったのは、まず中国系の留学生の多いことでした。裕福な家庭の出身者が多く、わが子を海外に留学させるのは当たり前とする中国富裕層の動向を感じました。またパソコンなどIT機器が学校で徹底して普及していることです。小学生からiPadを使うのが当然の環境で、様々なプレゼンの機会にもノックス校の生徒達は機器を使いこなしています。家庭での宿題もメールで送信されてきて、連絡も頻繁にとれるようになっています。

メルボルンの市内は、世界中からの移民が集まり、いろいろな民族が共存しています。イギリス風の雰囲気は落ち着いていて、伝統文化を大事にする都会です。特に街には素適なカフェが多いのが魅力的で、カフェの好きな自分はそうした界隈を歩くのが好きでした。(明日へつづく)