第913回 全校朝礼~教育実習生11名を迎えて

2014年6月16日

6月も半ばになりました。梅雨の時期になって気になるのは「かたつむり」に出会わなくなったことです。私が教員になった若い頃は、この時期に通学路の家々の壁とかに「かたつむり」をたくさん見かけました。担当学年の生徒と学校に着くまで一緒に、見つけた「かたつむり」は全部で何匹かを数えた思い出があります。その生徒はもう40代で三人の子どもがいる立派な大人です。

 

本日は、約1か月ぶりの全校朝礼をアリーナで行いました。前期中間試験が終わったばかりですが、これから夏休みまでの期間を、暑さにまけないで日々充実させようと、気持ちをリフレッシュすべき時です。各学年の総合学習も本格的に展開されていきます。

今回の朝礼は、本年度の教育実習生を迎えて、その初日に全校へ紹介する機会ともなっていました。この三年間では12名、13名、11名と教育実習生の人数は毎年二桁になっています。本校卒業生の間で教職志望者が多くなっていることに注目しています。1100名以上の全校生徒の前で自己紹介するのは、さぞかし緊張したことでしょう。これも大事な経験です。担当するクラスと担当する授業でいよいよデビューとなります。

部活動ではダンス部と将棋部の表彰を行いました。部活動の表彰関係の記録は、後日ホームページ上でクラブ活動の該当箇所にまとめて掲載させていただきます。

おわりに、本日の校長からの話の内容を紹介させて頂きます。拙い内容ですが、特に在校生の保護者の方々には、どこかでお子様との会話のきっかけになるものがあればと願っております。


皆さん、おはようございます。
まず、先週土曜日のオープンキャンパスで、補助生徒として手伝ってくれた300名以上の皆さんにお礼を伝えます。晴天に恵まれ、だいぶ暑かったのは心配でしたが、すべてのメニューを実施できました。駅からの挨拶・誘導を担当してくれたバスケットボール部の皆さん、最初の受付や、校舎の全域とカフェテリアで丁寧な案内で対応してくれた生徒会総務委員会の人達、制服の試着や海外セミナーの説明などで頑張ってくれた人達、そして各クラブの部活体験や午後の部活案内、最後の挨拶で動いてくれた運動部と文化部の皆さん、本当にありがとうございました。
 
ちなみに、最後に頂いた感想文の中から紹介してみます(読み上げました)。皆さんの明るく爽やかな挨拶や、懇切丁寧で親身あふれる対応は、来園された小学生や保護者に圧倒的に大好評でした。皆さんに大きな安心と期待の気持ちを持って頂けました。これからも学校説明会や学園祭の場面でもよろしくお願いいたします。

 

さて、前期中間試験が終わって、今日からテストの返却が始まります。毎時間「ドキドキハラハラ」が続くことでしょう。でもテストで一番大事なのは、実は試験の後です。じっくりと振り返り、本気で復習できるかどうかが問われます。「平均点より上か下か」とか、「あの子より点数が良いか悪いか」といったレベルの感想で終わらせてはいけません。
 
「本気でテストを復習する努力」が出来る人は、大学受験へ向かって必ず試験の成績が伸びていきます。我々教員はそのことをずっと痛感してきました。中間試験や期末試験だけではありません。中学生の学力推移調査や、高校の河合塾。ベネッセ・駿台・代ゼミなど全国模試でも共通することです。「間違えた問題」「出来なかった問題」の原因分析が大事なことです。間違いには大きく3種類あります。「全くわからない」、「見たことがあるけど出来ない」、そして「ケアレスミス」のどれなのかを見分けることが大切だと指摘されます。復習では「人に説明するように勉強する」やり方も効果が大きいそうです。そして最後に何も見ないでもう一度挑戦する「解き直し」が重要です。ホットなうちにやるのが一番ですが、すぐに無理ならあとでいいので必ず取り組みましょう。

テストの見直しと本気の復習こそが成績アップの鍵です。今回のテスト結果をふまえて、改めて日々の授業に集中し、「すきまの時間」を活用していく決意を期待しています。
特に中1の皆さんは、先週末からまたは今週から、いよいよこれから部活動が本格的に始まります。入学した時の初心を思い出して、勉強と部活の両立を追求していきましょう。

 

関連して、これから暑さが本格化するので、改めて皆さんにも節電の協力をお願いします。ムダな冷房や照明を極力避けるように、一人ひとりの自覚と協力をお願いします。もう一つ、登下校のマナーの徹底を求めます。生活指導委員会の先生方が、駅の周辺で毎朝指導されています。私も毎日声をかけますが、なかなか自覚をもてない人もいます。注意されなくても自主的に、友だちと横に広がらずに、マナーある右側通行を心掛けて下さい。

 

さて、今日から教育実習が始まります。
今年度も11名の先輩達が、これから3週間の教育実習を行います。
授業で、HRで、時には部活で、体当たりで皆さんにぶつかっていくはずです。

ここにいる先輩達は、将来の進路目標のひとつとして、教職の道を選んだ人達です。学校の先生になるためには、こうして「教育実習」を受けなければなりません。また一方では、教職を目指す人向けの専門の授業をいろいろ受ける必要があります。そうして大学を卒業する時にやっと、「教員免許状」を手に入れられます。その間にまたはその後で「採用試験」があります。そこで合格してようやく教育の現場に立つことができるのです。
皆さんからもどんどん、実習生の先生達に声をかけて下さい。大学生活はどんな感じなのか、大学受験はどう取り組んだのか、これから将来、仕事や私生活でどんな夢を持っているのか、いろいろ尋ねて参考にしてほしいと思います。

 

今日は、別のある学園卒業生の話をします。いま大学3年生で、先日会って話を聞く機会があった先輩です。その貴重な話はきっと皆さんのこれからに参考になるな、と思い紹介させてもらいます。
その先輩は、幼稚園から湘南学園育ちでした。学園小から学園中に進み、部活は野球部とサッカー部を経験しました。一番大好きな大久保選手が、今度Wカップの日本代表に選ばれてすごく嬉しいと聞きました。

高2の時には生徒会の総務委員を経験しました。中学時代にクラス委員を経験して楽しかったことが励みになり、当時生徒会のリーダーだった女子の勧めで総務に立候補しました。英語が好きで、高1の時にカナダセミナーへ行ったのは大きな刺激になったそうです。高2の時はオーストラリアセミナーにも参加しました。ちょうど私が現地に行った時、ノックス校のすぐ近くのホストファミリーのお宅でご家族と英語でやり取りできるようになっていた先輩の笑顔を憶えています。一人で英語を使って生活しなくてはならない体験は最初は不安だらけでしたが、そのうち楽しくなり、ひとまわり自分が大きくなれた実感があったそうです。

先輩は文系を選び、高2ではA組になりました。初めてのSクラスでしたが、クラスは時にうるさいくらい活気があり、いろいろチャレンジする意欲があり、でもある線を越えると担任の先生がきちんと叱ってくれるのが安心だったそうです。その先生に習った日本史とても好きで自信を持てる科目になりました。
彼は政治学科に進もうと決め、最初は中央、途中から早稲田を第1志望に掲げました。

英語には一番力を入れました。何冊かのテキストは完璧にやりました。単語と熟語のシリーズ本も徹底的にやりました。アドバイスされた通り英語を勉強する時は音読を心がけました。後輩にも音読の重要性を伝えたいですと語っていました。国語は古文が好きになり、助動詞の活用など一番大事と言われたことは徹底的にマスターしました。漢文はまず1冊をマスターしました。日本史は得意になり、流れがわかって知識をどんどん増やせました。

それでも全国模試では、第1志望は「E判定」が秋まで続いたそうです。でも自分を信じて勉強時間をキープして続けました。休日にはいつも10時間以上勉強したそうです。センター試験を迎える頃には、正直勉強が楽しいと感じられる手応えがありました。センター試験では英語とヒアリング、日本史はそれぞれ満点に近い点数を取ることができました。2月に入ってもあせりでおろおろすることなく、気持ちをおちつけて総復習・チェックに集中することができました。その結果、第1志望だった早稲田の政経・政治学科まで合格することができたのです。

この先輩は、部活も生徒会も海外研修も全部経験して、その上できちんと現役で難関校への栄冠を勝ち得ました。中学時代は成績面では、そんな目立つ位置にはいませんでした。

でもいったん目標を掲げてからは、辛抱強く自分の努力を信じて、不安に動揺しないように黙々と努力を続けた先輩です。

高い目標を掲げた方が頑張りきれると、先輩ははっきりと話していました。とりあえずの成績結果でジタバタしない。いま取り組んでいる問題集や参考書を、自分が受けたテストを全部ちゃんとやり切った時に、今度はどのくらいの成績を取れるだろうか。それも楽しみにひたすら取り組んでいけば、必ず道は拓けていく。つらかった勉強自体がだんだん楽しいと思える気持ちにまでたどり着けました、という先輩の話は強烈でした。その手応えは、後輩の皆さんにもぜひ追体験して欲しいなと強く思われました。

 

先輩は3年生で、いま大学の授業やゼミが充実しているそうです。ゼミはやる気にあふれた若い教授のもとで男女18人のゼミの仲間が切磋琢磨しています。政治や社会の事象分析をテーマに実証的な探究を和気あいあいと進めています。会った日の翌日は「18歳選挙権」をテーマにゼミでディベートを行う予定で、楽しみにしていると言っていました。大学のキャンパスのある街は学生が多いので、安くて美味しい食堂が多く、友達と食べ歩きで巡るのも楽しみだそうです。アルバイト先の方はもう3年目になり、後輩の学生達を束ねて企画をリードする役割もあって充実しているようでした。

そして今後の就活をにらんで、もう第1志望の業界や会社をイメージしていることに驚きました。「こんな仕事をしてみたい」と具体的なプロジェクトを例示してくれました。
どちらかというと優しくてソフトな雰囲気の先輩ですが、すでに様々な人達との出会いと協力の経験に恵まれ、これからの社会人生活に対して意欲と希望を拡げている様子が本当に頼もしく思えました。

 

以上、ある先輩のここまでの軌跡について紹介しました。

縁あって学園生となったここにいる皆さんは、いずれは自分の将来の方向をそれぞれ選んで、次の段階へ進むことになります。ほとんど大部分の皆さんにとって、大学受験は共通の課題です。その最前線にいる高3の皆さんから、まだその課題は5年以上先になる中1の皆さんまで、学力をしっかりと高めて、一番行きたいあこがれの大学に合格するのは、いずれ切ないほど大きな願いや夢になります。このN先輩のように、大きな志を持って、本気で地道に勉学に取り組んでいく決意を、皆さんに求めたいと思います。(ここでサッカー日本代表・本田圭佑選手のモットーと真摯な努力を紹介しました)

一方、皆さんの中で「あこがれの職業」とか「関心のある仕事の分野」をすでに持っている人はまだ少ないことでしょう。途方もなく広い世の中ですが、自分の夢や目標をいずれしっかり持てると、ちゃんといろんな出会いやチャンスが待っているものです。強い意志を持てば必ず道は拓けます。

大切なことは、自分の得意な事、好きな事、長所や適性を生かせる分野をつかむことです。自分が働くことが、他の人たちの生活や幸せにどこかで役に立ち、社会の進歩にも貢献できるのだ、という手応えを探していく旅でもあります。自分でしかはたせない「使命」ときっと出会って欲しいと思います。
そのためにも日頃から世の中の動きにアンテナを張ることです。本もTVもネットも役立ちます。様々な人びとが懸命に働いて、暮らしている姿に注意しましょう。

 

各学年でこれから本格的になる総合学習は、以上の課題に直結します。総合学習は、班やクラスや学年の協力関係を広げながら、様々な人たちを知り、お話を聞き、体験や交流を持てる貴重な機会です。世の中には「こんな生き方があるんだ」と知ったり「こんな協力やつながりがあるんだ」と気づいてほしいと思います。どうか気持ちをしっかりと向けて、積極的に学んで下さい。

・・・・・・それでは以上で私の話を終わります。どうもありがとうございました。