第1075回 全校対面式&新入生歓迎会~サポーターは先輩達!

2015年4月10日

今日は、中学と高校の6学年でそれぞれ、学年集会とクラスのLHRが行われます。

学年集会では、学年の先生方から今年度の各分野における重点目標やメインテーマが説明されます。教科の学習全般、生活指導、生徒会行事、総合学習や研修旅行、学年イベントなど多岐にわたります。それぞれ担当の先生から判りやすい説明がなされることでしょう。

LHRでは、担任の先生からクラス運営の願いが語られ、新しいクラスメイトが自己紹介をし合ったり、時にはゲームを交えて最初の交流を図ったりするようです。生徒会・行事関係やクラス独自の委員や担当者を決めていく時間も必要になります。

 

昨日の中高始業式では、校長の話に続いて、生活指導主任の福田先生から、登下校のマナー、いじめ防止、携帯電話やスマートフォンの使用ルールなどの重要事項を中心に話がありました。本校ホームページでも学校としての指導体制を明示しています。ご覧になってみて下さい。

次に山口教頭から、教員の異動、新任の紹介と新任教員の挨拶、そしてお待ちかねのクラス担任や学年スタッフの発表がありました。いわば年に一度のセレモニーです。5つの学年の担任発表の場面はいつもながら興味深い光景でした。

 

その後、在校生と新入生の対面式を行いました。中1の皆さんは先輩達全員が学年ごとに並ぶ間を、アリーナ前方とその上のサブアリーナへクラスごとに移動し、盛大な歓迎の拍手を受けました。生徒会総務委員長の樋口諒君から温かい激励メッセージがあり、新入生の仲間入りを祝福しました。その後新入生はアリーナに残ってもらい、学園の立地や沿革も踏まえた学校ガイダンスを校長が行いました。

 

午後の新入生歓迎会は、新入生のいる3階フロアからオーバーブリッジを通って階段を下りアリーナへ入る沿道が、運動部と文化部の先輩達による花道となり、部員達は部活関係のグッズや仮装で気合いを入れて準備し、拍手やハイタッチでクラスごとに通過する新入生を歓迎しました。

実行委員会から、着ぐるみした委員長の大貫七奈さんや辰元凜さんの溌剌とした司会と案内で始まりました。総務委員長から、学園生徒会の組織についてその独自性とねらいがスクリーン画面を使って判りやすく説明され、各種の委員や活動への参加が呼びかけられました。

その後クラス毎に円陣で着席してもらい、実行委員のメンバーが各サークルに何人も入って集団ゲームやビンゴなどが次々と行われました。アリーナいっぱいに歓声と笑顔が広がりました。そして春休みの取材で周到に準備された部活紹介のDVDで上映されました。

教室からアリーナまでの案内も誘導係の生徒諸君が行い、全ての運営は実行委員会の生徒達が計画して仕切っていく、生徒会トップバッターの行事でした。新入生には、先輩達の歓迎とおもてなしが心に響いたことでしょう。きっと学園生に仲間入りした喜びを強めてもらえたものと思います。

 

では最後に、中高始業式における校長式辞の内容を紹介させて頂きます。

皆さん、おはようございます。今年も校長を務める山田です。今日からいよいよ新しい年度が始まります。今年度も在校生の皆さんとのいろいろな接点を大切にして、精いっぱい取り組んでいきます。どうかよろしくお願いします。
桜は先週中に満開を迎えてしまいました。名残惜しいですが、葉桜の風情もなかなか素適なものです。しばらく雨も時々降りますが、これからいろいろな花が次々と咲いて春本番となります。そして新緑の美しい季節がやって来ます。お家の周りや公園や街角で、ぜひ花や緑に目をとめてみてください。

 

昨日は中学の入学式を行いました。雨が降って、おまけにすごく寒くて大変でしたが、希望いっぱいの新入生199名をお迎えしました。今日はこのあと新入生との対面式を行い、午後には新入生歓迎会が行われます。実行委員会の人たちは春休み中に早いペースで準備を進めてくれたと聞いています。入念な準備にお礼を伝えます。緊張いっぱいの新入生の心と身体を楽しい企画でほぐしてあげて下さい。

カフェテリアは、本日から営業が再開されます。今日のメニューは、チキン南蛮丼とカレーうどんの定食です。メニューの発表は、これまでの毎週発表に加えて毎月ごとの発表もしてもらうことになりました。プリントやHPでチェックしてみて下さい。今年度は中学1年を中心に、クラスランチも時々ですが導入の機会を設けたいと思います。どうかふだんから友達と誘い合って、栄養たっぷりの美味しいランチをなるべくたくさん楽しんで下さい。ラボカードのチャージを済ませていない人はいませんか。注文した時に残額をチェックして早めの補充をお願いします。

 

さて新しいクラスを確認して着席してもらいました。「クラス替え」は特に中学生の皆さんにはすごく気になる一大事でしょう。同じクラスに仲の良い友達がいるかどうか、気の合わない苦手な人はいないかな、とかメンバーが気になるのは当然のことです。中には一番の仲良しと離れて「友達が少ないな」と不安な気持ちの人もいることでしょう。また担任の先生が誰になるかももちろん気になることでしょう。

「クラス替え」は毎年行われます。期待も不安も混じるこの機会は、実は人間関係を広げていく大切な機会でもあります。学年全体で友達の輪が広がるという手応えは、交流や体験を重ねて、高校生になってからやっとつかめるものだと思います。そして学園で培ったつながりや絆は、大人になってからも大事なものになります。新しいクラスで一緒になった縁を大切にして、いろいろな人に声をかけてみましょう。友達に恵まれた人は、元気のない人をカバーしてあげて下さい。

学年スタッフの先生方には、持ち上がりの先生も新たに入った先生もいます。新しい担任の先生は大きな願いを持って運営を始められます。居心地が良くて活気のあるクラス、意見の違いが出てもちゃんと話し合えるクラス、行事も燃えて「みんなと一緒で良かった」と思えるクラスをつくりましょう。

 

この始業式で改めて全校の皆さんに、挨拶の励行を呼びかけます。校舎の中でも学校の外でも、同級生はもちろん先輩や後輩に、先生方はもちろん事務や用務の方々に、学園に来られた保護者やお客さんに、いつでも気持ち良い挨拶を心がけて下さい。

いつでも爽やかな笑顔で挨拶出来る人達は大勢います。特に運動部にはとても多いと感じています。でも挨拶に返事も出来ない人がいるのは残念なことです。
どんな場所でも様々な人間関係でも、大事なのはまず挨拶です。家族の人達に対しても心がけてほしいです。「おはよう」「さようなら」とか「ありがとう」「ごめんね」といったシンプルな挨拶を、誰にも平等に言える人はそれだけで立派なことです。ちゃんと挨拶できる人はどこに行ってもやっていけます。

 

さて3月の修業式で、東大に現役で進学したある先輩のことをお話ししました。クラスエリアに浪人生も含めた卒業生の大学合格実績が掲示されているので注目して下さい。ここにいる皆さんもこの先には全国受験の関門が待っています。特に高校3年生の皆さんは、いよいよ勝負の年です。先輩達からも刺激やヒントを受け、第一志望を必ずかなえる決意で目標を高く持っているはずです。最後まで努力を惜しまず仲間と励まし合って頑張って下さい。

高校生も中学生も、現在の学力に差があっても決意と実行ひとつで成績は必ず伸びます。決心して、始めて、そして続けることです。「すきま時間」も大事にする「ひたむきな努力」は誰でも出来ます。大事なことは「時間の使い方」と「続ける力」です。時間は放っておいても勝手に流れていきます。それをどう使うかは各自の選択次第です。自分の時間を管理することは英語で「タイム・マネジメント」といいます。それは、我々大人でも日常的に問われる大事なことです。

「続ける力」を身につける2つのアドバイスに、もう一度触れたいと思います。
まず「ゴールからの発想」という考え方です。山登りやマラソンの例をあげます。頂上やゴールが何キロ先にあるのか意識すると、見通しを持って頑張ることができます。大会の優勝を目指すスポーツ選手は、目標が明確だから、挫けそうになった時に突き破るエネルギーが沸いてくるのです。東大に進学した先輩も高3では苦手科目に取り組む勉強時間を確保しようと、まず高1から英語を特に頑張りました。音読の重要性の話は特に参考になったのではないでしょうか。

次に「全体から部分へ」という助言です。自分が取り組むテキストや問題集の「全体像」をつかむことです。本では実はまず「目次」が重要なのです。定期試験の試験範囲を確認するのと同じことです。「これから進めるべき勉強は全体ではこんな感じだ」との見通しを持ち、一歩一歩進めていくのです。単元テストや定期試験、模擬試験などの徹底的な復習も成功のカギを握ります。その復習で自分の理解度と弱点をつかみ、その先の勉強のルートをつかみやすくなるからです。

関連しますが、今年度は全校をあげて英語の指導体制を強化します。中学生については、英語検定試験の全員受験と中3までに3級以上の全員取得を必修の目標にします。高1と高2では加えて英語力の測定と向上を図る新しい試験を導入します。大学受験では英語の学力が高いかどうかは大きな影響があるからです。英語をもっと早くからしっかりやっておくべきだった、と語る卒業生は本当に多いのです。中学生でも英語の本の「多読」にバンバン挑戦したり、海外セミナーに参加して事前学習に燃える人が増えてきました。将来の仕事や生活でも実用的な英語の力はますます重要になります。学園生全員の皆さんにもっと英語学習に重点的に取り組むように求めていきます。

 

関連して、皆さんに息長く鍛えて欲しい学力は、「聞く力」「読む力」そして「書く力」「話す力」という4つの領域に分けて考えることができます。まず「聞く力」です。相手の話をしっかり聞くことは人間関係やコミュニケーションの基本です。授業でも講演会でも、総合学習や研修旅行で出会った方々のお話でも、卒業生のアドバイスでも、何より「聞く力」が問われることはわかると思います。

そこでは同時に「書く力」も大切です。授業のノートをきちんと取り、人の話をメモで記録する習慣がつくことです。「書く力」でもっと大事なのは、自分の考えや思いを自分の言葉でまとめて書ける力です。課題の作文や感想文、テーマに沿ったレポートで自分の文章を書ける力です。ネット情報のコピペではありません。これから大学入試のあり方も変わっていくことをご存じですか。知識の量を競うタイプの問題は残っても、思考力や表現力を問う問題が徐々に中心になるといいます。書籍やネットの情報を参考にしてもいいですが、自分の考えや主張、時には自分なりにオリジナルな意見も入れて、きちんと自分の文章を作れることがとても大事です。各学年でそんなトレーニングの機会がいろいろあるはずです。積極的に取り組んで下さい。

「読む力」は判りやすいでしょう。学校の教科書や新聞を読める力、次々と読書を進めていける力は自分を豊かにします。新しい世界を知り、視野を拡げ、「考える力」や「感じる力」を養うことができるのです。最後に「話す力」です。自分の気持ちや考えをきちんと話せる力は、生きていく上で必須となります。学校の斑やクラスや学年で発言したり、人前でスピーチしたりするのは誰でも最初はびびるものです。でも場数を踏むと気持ちが積極的になっていくものです。また海外の人達との対話には、英語など外国語の力が必要です。相手の気持ちや文化の違いを踏まえた「話す力」は、経験を重ねて高めていけるはずです。

 

皆さんには、いま自分の「聞く力」「読む力」や「書く力」「話す力」がどのくらいあるのか振り返ってみてほしいです。それらは大学生や社会人になってからも鍛えていけますが、その土台は中学~高校の時代です。実は大学受験にもつながる課題です。チャレンジし続けることで必ず身についていくし、自信ができて張り合いが出てくるものです。この4つの力をじっくり養っていきましょう。

 

最後にひとつお知らせがあります。湘南学園中高は、このたび文部科学省の「スーパーグローバルハイスクール」に応募しました。その結果その指定校には至りませんでしたが、これまでの取り組みと今後の構想が評価されて、準拠校に当たる「アソシエイト校」に認めて頂きました。全国でもこのグループに入ることは大変なことです。これを励みにして、グローバル教育に力を入れていきたいと思います。

「グローバル」とは「地球規模」という意味です。“国と国の間”という意味の「インターナショナル」という言葉に代わって、頻繁に使われるようになりました。

いま世界ではまず地球環境の問題が深刻です。飲料水や食料をめぐる状況も危機的です。それなのに人間どうしの戦争や紛争は絶えません。中東各地やウクライナなどの厳しい情勢を知っている人も多いでしょう。歴史や宗教や民族の問題が絡んで侵略やテロが繰り返され、大勢の人達が犠牲になっています。憎しみがつのって許しや和解ができずに暴力がやみません。一方で「グローバル経済」と呼ばれる国境を越えた激しいビジネスの競争が続いています。コンピュータやロボットなどの最新機器が発達する一方で、多くの人達が仕事を失い、貧困や孤独に悩む人々が増えているのです。

50年後や100年後の子孫や若い世代の人間に対して、この時代に生きる私達には共通の責任があります。このままでは地球や各地の地域社会が「持続不可能」になる恐れがあります。「持続可能な生産や生活のあり方」が必要です。世界の人口は現在約73億人です。言葉や文化が違っても同じ地球という狭い家に住む仲間です。国どうしの関係が険悪でも国民どうしの交流は成立します。理解し合えるし友達になれるのです。文化や習慣の違いも尊重し合い、地球規模の課題について解決の方向を共に探り、協力することはできるはずです。皆さんにはそうした問題意識と意欲のある人間になって頂きたいです。湘南学園のグローバル教育はそうした願いを大切に進めていきます。

 

関連しますが、今年度から新たに「グローバルサークル」を校内に立ち上げます。運動部や文化部とは別に、グローバル教育委員会の先生方や生徒会のインターアクトクラブとも協力して取り組みます。英語のスキルアップを中心にしてて、海外セミナーや留学生招待、総合学習に関わる独自のイベントやスタディーをします。英語やグローバル教育に興味のある人、海外帰国生など幅広い参加を募ります。部活との関係では無理のない範囲で加われます。いずれ詳しい案内を出しますので注目して、友達と誘い合ってぜひ参加してみて下さい。

 

今日は以上です。皆さん一人ひとりがこの新年度を充実した一年にしていけるように心から祈っています。日々の時間を大切にして、自覚のある生活を送っていきましょう。 以上で私からの挨拶を終わります。ご静聴ありがとうございました。