第1148回 カナダ・オーストラリア・ポーランド&リトアニア~海外研修3コース

2015年7月13日

本校では、この夏休み中に3つの海外研修旅行を実施します。
まず「第11回カナダセミナー」および「第6回オーストラリアセミナー」であり、ともに7月19日に日本を出発します。カナダは8月1日までの13泊14日で中3・高1・高2の希望者が、豪州は8月3日までの14泊15日で高1・高2の希望者が参加します。そして「第2回ポーランド・リトアニア ヒストリーツアー」は8月16日~27日の10泊12日で、中3・高1の希望者が参加します。

 

カナダセミナーの舞台は、アルバータ州第一の大都会「カルガリー」近郊の「エアドリー」というベッドタウンです。緑と花が多い町で、住宅街は平屋が中心で地下室が普及しています。アジア系にもフレンドリーな街の雰囲気に安心します。小さな町ですが立派な公営プールや歴史博物館もあります。住民の生活は意外に質素で、アウトドアの楽しみを大事にする暮らしがあります。私が行った時には夏の川でカヌーをする光景を目にし、宿舎近くのお店で「リス」に会えることもありました。
セミナー参加者は、午前中は少人数制の集中レッスンで、カナダを題材にまた寸劇も交えて英語を学びます。午後は現地の街や数々の観光名所や大自然にどっぷりと親しみ、異文化交流をはかるゲームやプレゼンに挑みます。地元の高校生や中学生がずっと「バディ」として同席同行してくれることが魅力となって意欲が高まります。
近郊の「カナディアン・ロッキー」の雄大な山々と湖畔の絶景には息をのみます。「レイク・ルイーズ」など再訪したくなるスポットが多く、お洒落な「バンフ」での買い物も楽しみです。カナダは世界中から移民を受け入れる「諸民族に優しい国」です。参加者は周りの人たちに積極的に話しかけ、いっぱい観て食べて楽しみ、社会や人びとの様子にも目を向けていろいろ感じとって欲しいです。




オーストラリアセミナーの舞台は、シドニーと並ぶ大都会「メルボルン」です。その郊外にある名門私学の「ノックス校」との間に、友好協定にもとづく相互訪問や留学など深い交流が定着して6年目を迎えました。
このセミナーへの参加には英語の選抜試験があります。現地のバディー達と現地校での学校生活を過ごしますが、学校でも滞在先の家庭でも否応なく自分の英語でコミュニケーションをとるハードさがあります。ノックス小学校への訪問交流、全校集会でのスピーチ、多彩なプレゼンの機会など独自の研修プログラムが用意されています。メルボルン市内観光やサバリンヒル・バラフット遠足も大いに楽しみです。豪州オープンテニス会場であるロッド・レーバー・アリーナへの訪問などの貴重な時間もあります。
「カナダセミナー」に参加して大満足し、翌年は「豪州セミナー」に挑戦してスキルアップを図ったり、その延長で3月に待つ「英国セミナー」にチャレンジすることもできます。せっかくの機会なのでひとりでも多くの在校生にこのプログラムを利用してもらい、英語学習と国際交流への意欲を高めて欲しいと願っています。




「早大生と行く!ポーランド・リトアニア ヒストリーツアー」の行き先は、欧州のバルト海に臨む2か国です。コペルニクス・ショパン・キュリー夫人などの出身地であり、激動の歴史で知られるポーランドと、旧ソ連から独立したバルト3国のうち一番南に位置するリトアニア。ともにカトリック圏にある両国は、第二次世界大戦において旧ソ連軍やドイツ軍の侵攻を受け、数多くの民衆が犠牲になったことでも共通しています。その時代に日本人の外交官が勇気ある人道行為を行って歴史にその名を刻みました。
その人物は、杉原千畝氏です。当時外交官としてリトアニアに赴任し、外務省の指示に背いて、迫害から逃れてきたユダヤ人に日本通過ビザなどを発行し続けました。約6千人もの生命が救われ、世界中のユダヤ人やイスラエルの国民にとって後世に語る継ぐべき大恩人のひとりです。戦後には藤沢市鵠沼の地に住まわれ、ご子息お二人がこの湘南学園に在学されたというご縁があります。
杉原氏が当時活動したリトアニアのカウナスを訪問し、現地の日本文化サークルの人達とともにその歴史事実を深く学びます。またポーランドのアウシュビッツ強制収容所を訪問します。ホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)の事実を現地で知り、生命・人権・戦争などについて改めて深く考えてもらいます。
現地の方々との楽しい交流などもいろいろ予定されています。保養地として知られるドルスキニンカイでは日本について学ぶ小中学生のサークルとの交流も模索され、湖上に浮かぶ優美なトラカイ城などの観光なども組まれます。世界遺産である「ヴィリニュス」「クラクフ」、「ワルシャワ」の各歴史地区も訪れます。「語学研修」や「異文化交流」だけでない、よりテーマ性の高い新たな国際教育のツアーです。多感な中高生諸君にグローバル時代の課題を深く考えてもらうこの旅行は、ユネスコスクールである本校の志を深めるツアーでもあります。