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月別 校長通信

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第1152回 昨日の全校朝礼の紹介

2015年9月1日

昨日の全校朝礼は、中1~高3まで6学年、1100名以上の在校生諸君がひさしぶりに集合する大切な時間でした。

校長の話に続いて、保健室に着任された新しい先生と、ロータリークラブ一年間交換留学でスウェーデンから来日来園した高校生のソルベ君から自己紹介があり、全校生徒から大きな歓迎の拍手が寄せられました。また貴重な出会いと交流経験が始まります。また改めて詳しく紹介します。

クラブ関係の表彰では、水泳部、陸上部、テニス部、卓球部、将棋部、吹奏楽部、書道部と、多くのクラブの部員諸君が表彰されました。また生徒会総務委員長と学園祭実行委員長から、今後の準備へ向けた呼びかけが表明されました。

 

【校長からの話】 朝礼における話をこれまで同様に掲載いたします。

皆さん、おはようございます。すさまじい残暑も一段落して、先週は驚くほど涼しい日が続きました。中学生は全員、高校生も多数の皆さんが夏期講習で登校しました。クラブ活動や学園祭準備で連日登校した皆さんも多いはずです。
一方、そうした助走もなく本当に久しぶりの登校になった人達もいることでしょう。夏休みの宿題や近づく試験でブルーな気持ちを抱えている人もいることと思います。友達とも再会してなるべく気分一新をはかれることを祈っています。何か悩みのある人は気軽に遠慮なく誰か先生にも相談して下さい。皆さんが元気に学校生活を再開できるように願っています。

 

今日はこの夏、私が体験したアメリカへの研修旅行を中心にお話させてもらいます。
8月上旬の8日間、アメリカのトップ大学、ワールドランキングの名門校を訪問しました。サンフランシスコとボストンに3泊ずつで、西海岸と東海岸で計10校を見学しました。ハーバード、スタンフォード、カリフォルニアのバークレー、マサチューセッツ工科など超一流大学、エリート校として名高い名門カレッジや中高一貫の難関校を次々と視察したのです。

視察団には、小学校の榎本校長先生と中高グローバル教育主任の荒木先生の3名で参加しました。費用は湘南学園の同窓会が用意して下さいました。
旅行の目的は、世界最高峰といわれる米国のトップ大学の教育方針や入学者の選抜制度を知ることでした。日本からの短期と長期の留学ルートを理解し、海外もふくめた将来の大学選択の複線化に備えることが主眼です。またこれから日本の大学受験制度や高校や大学の教育のあり方が大きく変わることを踏まえて、そのモデルとして影響力のある米国の教育と入試制度の現状への理解を深めるためでした。学園生の今後の大学進学と学園のグローバル教育の発展に役立てることが目的でした。

まず圧倒されたのは、各校の広大なキャンパスの魅力です。どこも樹木や芝生にあふれ、歴史ある古風な校舎が大切にされ、由緒ある施設や教会のステンドグラスなどに魅了されました。次期米国大統領の有力候補であるヒラリー・クリントンさんの母校のウェルズリー大学はキャンパスの中に湖があり、図書館は素適な林に囲まれていました。ハーバード大学のカフェテリアはハリーポッターの映画そっくりの雰囲気でおとぎの国に入ったようでした。その傍の教室では東京の有名私学からサマースクールで参加した日本の高校生達が英語で議論していました。

そして学生達の勉強ぶりと積極性に感銘を受けました。各校の説明会やキャンパスツアーでは大学生が校内を案内し質疑応答に応じてくれました。皆さんが優秀なのはもちろんですが、原稿なしでぐいぐい説明し答えてくれる情熱がすごかったです。EU・アジア・アフリカの広い諸国に出身地はまたがり、黒人の学生もいました。

実は日本からの留学生にも各地で出会いました。大学または大学院から米国にとびこんで勉強し専門を磨いている皆さんに、その動機や夢を直接聞けたことは貴重な収穫でした。世界中の留学生が集まる寮でリーダーを努める人、専門の開発研究をして多額の支援を受けている人、経営学博士の資格を取ってグーグルの本社に勤めてからシリコンバレーで起業した人など様々でした。日本の中学・高校時代の頃からメチャクチャ優秀だった人達だけではありませんでした。

日本からの留学生達には、“アメリカには世界中の人達が集まる刺激がある。個人個人の意見や意欲がとても重視される。自分の人生には実は大きな可能性とチャンスがあることを気づかせてくれる。”という実感やスピリットが共通していたように思われます。また全米各地で暮らし働いている日本人が少なくないことにも当然とはいえ注目しました。世界的な観光地でもあるサンフランシスコは、真夏でも最高気温が25度くらいで湿気がなく快適でした。現地に長年暮らす日本人女性が味わい深いバスガイドをしてくれました。日本から志ある留学生を大勢迎えたいと仕事に励む日本人にも多数お会いしました。皆さん当然ながら英語はペラペラでした。

 

アメリカの大学受験では、基礎学力を問う部分もありますが、特に重視されるのは「思考力・判断力・表現力」です。自分の志望動機や問題意識をまとめたエッセイにあたる文章の内容や面談・口頭試問などで入念に審査されます。大学や高校の授業は講義だけでなく討議・ディスカッションが重視されます。あるテーマに沿ってあらかじめテキストや資料を十分に予習してくることが求められます。授業は先生の指示やまとめを受けつつ生徒達は発表し議論します。「自分もそう思います」ではダメで、自分自身の具体的な意見を表明し、違う意見とも対話してより深めていく力や、仲間とコラボして探究する力が評価されます。
東海岸のトップ校といわれる中高一貫の私学を訪問した時、各教室の配置に驚きました。机と椅子はあらかじめ討議向けに向かい合い、すぐにテーマに沿ったディスカッションを開始できるようになっていました。授業のコマ数は少ないですが予習してくるのは当たり前で、パソコンや資料を持参し、先生をはさんで対話型の授業がメインになっていました。実は5月に長野県の軽井沢にできた全寮制のインターナショナル高校のISAKを視察しましたが、アジアの各地から集まった高校生達の授業も基本はこのスタイルで、オールイングリッシュでした。

日本の学校教育でも、もちろん湘南学園でも、こうした授業のスタイルは今後重視されていきます。将来的には日本の大学受験も、基礎学力は大事にしながら、「いっぱい暗記して点数をかせぐ」スタイルから、「思考力・判断力・表現力を問う」スタイルへと徐々に移行していくことが宣言されています。合わせて英語の学力、「読む・聞く・書く・話す」力は、全国の高校生や中学生にグローバル時代の必須スキルとしてより強く求められていくことでしょう。

皆さん、英語の勉強には特に力を入れましょう。毎日の英語の授業に集中し、予習や復習をコツコツ続けましょう。学園の海外セミナーやこれから始まるグローバルサークルで友達と学び合いを楽しみ、実用英語のスキルを高めていきましょう。7月に初めて実施した中学生対象の「イングリッシュキャンプ」は、国内の施設を利用しながら多数のネイティヴの先生の熱心で楽しい指導を受けて、参加者の達成感は素晴らしかったようです。学園ではこうした機会をこれからも重視していきます。

 

アメリカ社会の様子にもふれます。大都会のダウンタウンでは、アジア系やヒスパニック、アラブ系や黒人など、人種や民族の多様性のスケールに圧倒されました。ボストン美術館では一番人気は「葛飾北斎」展で、藤沢や江の島を描いた小品も見つけました。あの通りは危ないから入ってはダメという区画もあれば、音楽の路上ステージがあちこちで繰り広げられる大らかな風景もありました。
米国社会の巨大さと難しさを感じました。上流階級の住宅街は素晴らしく美しいですが、底辺の人達の暮らしや仕事との格差は歴然としています。アメリカに行くと、日本の文化やシステムの素晴らしさに改めて感謝と誇りの気持ちも芽生えます。

日本こそ、グローバル時代に独自の活躍が期待されています。様々な商品の完成度の高さ、“おもてなし”に代表されるサービス水準の高さ、恵まれた自然環境と豊かな食文化、環境対策に代表される国際貢献の技術とノウハウなど、日本は世界から尊敬と期待を集め、日本人には幅広いステージで出番が待たれています。
日本が第二次世界大戦後に戦争を放棄し、70年間世界のどの戦闘にも参戦はしなかった事実や、東日本大震災後もつながりを強めて整然と復興に取り組む姿には、世界中から敬意が寄せられてきました。この夏「戦後70年」を迎えた安倍首相の談話が国際的に注目されたことを知っていますか。その発表に先立つ5月には、アメリカの著名な歴史家や日本研究者を中心に大勢の学者が、安倍首相や日本政府の発言と行動に向けて、呼びかけの声明を発表して注目されました。

今回の研修を通して最も強く感じたのは“Seeing is believing.”の真実です。「百聞は一見にしかず」の金言を反芻しました。皆さんの人生にはこれから様々なチャンスがあります。留学、進学、就職などで海外に行くには、お金の用意も家族の協力も必要ですが、一歩踏み出す勇気を奨励したいと思います。
アメリカ渡航の魅力は、夢と志を持って集まった世界の若者や大人が共に暮らし、学ぶ活力に接することができることです。この国で学び、自分を表現し、コミュニケーションを広げる体験を通じて、自分の過去と現在と未来を捉え直し、見えなかった進路や可能性について目を見開く機会に恵まれることでしょう。

グローバル時代とはいえ、最終的には日本で暮らし働く人達の方がこれからも多数派です。でも海外に出てみてこそ日本の良さも弱点も可能性もくっきりと見えてくるのだと改めて感じられます。まずは旅行でもいいのです。自分の生活と人生の大事にして新たな可能性をつかむために、身の安全には十分留意して海外にぜひ積極的に出かけていってほしいと思います。

 

さて同窓会のご支援を受け、国際ロータリークラブの主催する一年間の長期交換留学制度はこの秋から2年目を迎えます。ナターリャさんがブラジルに帰国し、サンパウロで学んできた水木千瑛さんが日本に帰国しました。水木さんお帰りなさい!皆さん盛大な拍手でお迎えしましょう。
そして今回はスウェーデンから、素適な男子高校生を学園へお迎えしました。こちらにいるソルベ君です。日本に関心が深くて、英語は完璧であり、いま日本語を猛勉強しています。まず皆さん、こちらにいるソルベ君に盛大な拍手をお願いします。この後、簡単な自己紹介もお願いしているので楽しみにして下さい。

ソルベ君の母国スウェーデンは、バルト海に面した北欧の大国です。日本よりやや広い国土に約1千万人が暮らし、木材や鉄鉱などの資源に恵まれ、自動車のボルボや家具のイケアなど世界的な企業も多い工業国です。ノーベル賞の発祥地としても有名です。発達した社会保障制度はいつも世界的な模範として注目されてきました。首都ストックホルムで1972年に有名な「国連人間環境会議」が開催されました。大会のスローガンを知っていますか。・・・それは“かけがえのない地球”です。

ナターリャさんの時と同じように、皆さんの温かなサポートや、積極的な声かけ・コミュニケーションをどうかよろしくお願いいたします。スウェーデンと日本との関係について、世界の平和と交流について、ソルベ君とこの先にいろいろな対話や取り組みができるといいなと思います。

 

最後に正念場となるこの9月に向けてのお話をします。前期期末試験は9月14日の月曜日からです。ちょうど2週間後にスタートします。「試験直前モード」にチャンネルを切り替えなければなりません。
高3の皆さんは、名残惜しい夏に区切りをつけ、強い気持ちで秋の陣に向かう時です。この後の学年集会で決意を新たにし、黙々と努力を積み重ねましょう。気持ちのベクトルこそが大事です。上向きの強い気持ちをキープして戦い続けて下さい。
前期の成績は、特に高校3年と中学3年の皆さんにとっては重い意味を持ちます。他の学年の諸君もここは頑張りどころです。中間試験の問題と答案をもう一度振り返って見直し、気合いを入れて試験範囲の総復習を進めましょう。

そして来月初旬に学園祭があります。クラス・文化部・実行委員会などで下準備が進められています。クラスを中心に対話と協力の輪を一気に広げていけるのが学園祭です。知恵や工夫を出し合って取り組みましょう。
また9月22日から10月2日まで、今年もメルボルンから「ノックス・ジャパンツアー」のご一行をお迎えします。オーストラリアセミナーのリターンです。大切な姉妹校であるノックス校の生徒と先生の皆さんを、いろんな場面でウェルカムしましょう。カルチャー講座や授業・昼休み・放課後、遠足などを通じて交流や会話を楽しみ、友情の輪を広げて頂きたいです。

また残暑はぶり返すはずですので、体調の維持と気持ちの切り替えに努めて下さい。カフェテリアのメインメニューを紹介します。今日は「アジのさっぱりソテー」、明日は「鶏肉のチーズパン粉焼き」と「ビビンバ丼」です。今後のメニューに注意して、夏バテ防止や試験対策の栄養補給に、ぜひたくさん利用して下さい。
では皆さん、本格的な秋の訪れを楽しみにして、メリハリある充実した毎日を過ごしていきましょう。
・・・・・・以上で私の話を終わります。ご静聴ありがとうございました。

※ 写真は、1・6枚目が満開のサルスベリ~鵠沼海岸と湘南台。2~5枚目はアメリカの大学訪問で。順にスタンフォード大のカフェテリア、ウェルズリー大のキャンパス内の湖、サンノゼ州立大学の学生寮、ハーバード大学のサマーキャンプで賑わう校庭の様子です。