第1281回 東日本大震災~五周年を前にして

2016年3月9日

学年末試験の返却と解説が、昨日の午後から今日にかけて一斉に進められています。「答案が戻った後の徹底した点検と振り返り」がこの先につながる大事なポイントです。そこが出来れば勉強は軌道にのるものです。先生方のコメントに集中して、年度末の総復習を心がけてもらいたいです。

 

東日本大震災から五周年にあたる明後日を前にして、今日は本校の高校生の動きから紹介したいと思います。

秋の高2研修旅行の後で、有志団体「東北部」が発足されて活動してきました。その目的はまず「東北の現状・被災者の想い・それを見て感じたことを校内外に広く伝えること」と記されています。1月には我々教員向けの講演報告会を設けてくれました。研修旅行の「東北コース」継続も願って、事前学習を通して後輩達に今後伝える場面も検討されています。学園が避難先になる地域住民の方々との交流の機会についても話し合われています。

次の目的は「大震災を自分達に引きつけて捉え、学校生活に活かすこと」とされています。震災への認識を深めて、現行の避難訓練のあり方を生徒目線で見直し、気づいた改善点を先生方に伝えるべく防災委員会に改善案を提出してくれました。

 

「東北部」の生徒諸君は、現地で同世代の高校生や教員をされていた方々と出会い、被災者の心情を含めた被災地の現状を理解していないことに気づき、高校生達が自分の生き方を選択して、未来へ繋ぐために発信する姿に衝撃を受けたそうです。旅行後すぐに「自分達がいま出来ること」を考え合ったのです。

メディア情報だけをうのみにするのでなく、直接人に出会って情報を得ることの大切さを知り、日本や世界の他の様々な問題も「自分に引き寄せて捉えていこう」と自覚し、今年から主権者として選挙を迎える高校生の意識改革にもつなげていきたいと述べられていました。

「仲間と意見交換することの楽しさ」を感じ、「自信と少しの勇気があれば私達は主体的になることができる」との手応えも記されていました。

 

以上のような生徒諸君の主体性に感銘を受けています。その問題提起と行動ぶりに敬意をいだき、我々教員としての自覚を深めています。本校が目指すESDを軸とした教育の充実につながり、励ましてくれる重要な動きです。

 

※ 明日から年度末の諸会議や報告会、学年末面談や科目別指導などの日程が続くため、校長通信はお休みを頂きます。全員登校日の18日に再開します。