第1340回 ダイバーシティ体験研修会

2017年6月30日

~「異質な他者」との豊かな対話を目指そう~

 湘南学園中学校高等学校教員研修会が学園内にて開催されました。会場となった中高ホールは「シェルホール」というニックネームがピタリとくるような多目的ホールです。耳を澄ますと鵠沼海岸に寄せる漣が聞こえてきそうな建築物で、先生方や教育実習生の参加でほぼ満員となりました。
 
 テーマは、「ダイバーシティ体験研修会」。「ダイバーシティ」(多様性)は、近年特に注目されている用語であり、「異なる性質を尊重して受容する環境を築くこと」であり、新たな価値を創造する可能性を高めることとも言われています。
 
 講師をお願いしたのは「NPO法人バブリング」の皆さんです。いただいたリーフレット表紙には、「世界を”打ち明けられる”でつくりたい」とあり、VISIONには「ありのままの自分を表現することができ、あるがままの他者を受け入れることのできる強く寛容な社会」を、そしてMISSIONとして「大切な人へのカミングアウトを応援する」とありました。

 グループワークでの「発達障害」「吃音症」「セクシャルマイノリティ」「社会的養護対象児童・社会的養護経験者」について解説されたカードを各自読み込み、それぞれ考え方を述べ合い、グループで共有した意見を、各グループ毎に発表する形式からスタートしました。「男のくせに」「女なのに」という表現を使ったことはありますか、とのアンケート記入には、かつて自分もそうしたことを言ったかも知れないと振り返りをする参加者もおり、研修会の意味を考える機会ともなりました。
 
 インクルージング教育とも連関して、これからの教育の新たな方向性を考える上で貴重な場となった「ダイバーシティ体験研修」は2時間ほどでしたが、参加者一人ひとりにとって、「異質な他者」との豊かな対話を目指す体験の場になったといえましょう。