第644回 高等学校修業式と中学校修卒業式

2013年3月23日

 本日は、今年度のしめくくりに当たる大切な一日です。
 始めに高等学校の修業式を実施しました。学園歌斉唱、高校1年生および2年生の修業証書授与、皆出席賞授与、校長式辞を行いました。また中高ともに、部活動関係の受賞者や漢字検定試験の優秀者の表彰も行いました。
 続いて中学校の修卒業式を実施しました。学園歌斉唱、中学1年生および2年生の修業証書授与、中学3年生の卒業証書授与、3学年の皆出席賞授与と成績努力賞授与、中3の私立中高連合会賞授与、校長式辞を行いました。

 それぞれの式の後で、次年度新学年の教室への机と椅子の移動を、上級学年から順に行いました。旧教室を清掃して、作業終了後にHRとなりました。
 中学・高校の各クラスも本日が最終日となります。一年間同じ教室で生活してきた級友ともこれでひとまずはお別れとなります。
 担任の先生からは、この一年間を振り返っての思いやまとめが語られ、来年度へ向けてのメッセージが送られたことでしょう。中学3年のクラスでは更に特別の思いが寄せられます。大多数の諸君が内部進学しますが、新しい進路へ旅立つことになる諸君もいます。ここまで築いてきた仲間との絆をこれからも大切にしてほしいものです。
 成績データや学年学級の通信、連絡の配布物などが渡されました。春休みの宿題もそれなりに指示されたはずです。春休みは気候もいいし、自由な感じが豊かな時期です。でものほほんとしていれば「光陰矢のごとし」ですぐに過ぎ去ります。貴重な日々を大切に、この一年間を振り返り、様々な教材やテスト・プリント類を復習&整理し、次年度へ向けての助走にも努めて欲しいです。

 最後に校長からの話を、今回は高校の方で代表して紹介させて頂きます。

【高等学校修業式】皆さん、おはようございます。本日で、今年度の学校生活は大きなひとくぎりを迎えます。学年末試験が終わって春本番になり、一気に暖かい日が増えました。あちこちでもう桜の花が咲いています。家族の人たちや友達と誘い合って、お花見をする予定の人もいることでしょう。

さて、東日本大震災から、もう二年以上が経ちました。あの日、刻々と判明する実態に言葉を失いながら、皆で協力して夜を明かしたこと。計画停電にも直面して、様々な予定をキャンセルした年度末の日々。あの時の異常な生活の記憶は、もう薄れかけていないでしょうか。皆さんには改めて、被災地の現実、復興に取り組む人びとの様子、故郷に戻れずに困難な暮らしを続ける人びとの様子に、関心を寄せ続けて欲しいです。自分たちに出来ることを考え続けていきましょう。関東から西日本の各地にも、この先起こるかもしれないと、巨大地震の災害予測がなされています。備えを忘れずに生活していきましょう。

さて今回は、ある在校生の小さなドラマについて紹介したいと思います。ここにいる、あるひとりの高校生から聞いた、インパクトのあるお話です。この後、通知票やブルーファイルが、各教室でそれぞれに届けられます。各学年の成績資料を大まかに見ていて、いつも感心することがあります。とつぜん成績が大躍進する生徒諸君が、どの学年にも結構おおぜいいるのです。何かのきっかけで一気に勉強にはずみがつき、試験でしっかり良い結果を出して、そのまま伸びていく人たちは少なくありません。そんな生徒はどんな努力を重ねているのか、直接に知りたいなとよく思います。今回は、そうした生徒のひとりに直接聞いてみました。

その生徒は高校2年生です。今回の学年末試験では、英語の2科目がともに90点以上取っていました。試験全体の成績も、総合順位も、相当に高くなっていて感心しました。何かきっかけがあったに違いない。それを聞いて他の生徒諸君にも広く紹介できたらいいなと思いました。お願いしたら、彼女はいろいろと話してくれました。
英語については、中1と中2はまずまずだったけど、中3の頃は学年の平均点くらいになったそうです。高校へ進学してから、これではまずいな頑張らなくてはと焦る日々も続いたそうです。その頃に第一志望の大学が定まりました。あこがれる人たちが多い有名大学です。でも自分なんか、届くはずはないだろうと思っていました。高2になってクラスが変わり、周囲の出来る人たち、成績の良い人たちの様子を見ても悩みが続きました。それでも前よりはずっと頑張れるようになってきました。大きなきっかけになったのは、11月に高2全員が行った大学訪問=キャンパスツアーでした。45校71コースに分かれ、55名もの卒業生先輩達が、ガイド役で後輩達のために協力してくれました。あこがれの大学へ行って、案内してくれたのは、自分の所属する部活の先輩でした。楽しく充実したキャンパスライフについて、その先輩からいろいろと聞けました。勉強のことでも数々のアドバイスを聞けました。特に英語では、声を出して英文を読むと効果があるよ、など具体的なヒントをいくつも得られました。

彼女は、その出会いを機にして、本格的に勉強に取り組めるようになったそうです。英語の勉強は、ふだんから毎日やれるようになりました。英文をたくさん読み、声を出すことも心掛けました。日々の宿題をパーフェクトにやるようになりました。通学の電車などでは、英単語の本・ターゲットをやるのが日課になりました。英単語の習得にも気合いが入ってきたそうです。担任の先生が紹介してくれた、英語参考書の古典的な名著にも取り組み始めます。もう冬休みには、勉強にエンジンがかかっていたそうです。今度の試験前は、部活絡みで時間がかかる課題も仕上げなければなりませんでした。でもその分危機感を持って、試験勉強も頑張り切れたそうです。だから英語以外の科目でも良い結果を出せた科目が増えて、自分でも驚いたそうです。
こだわりの第一志望校と学部はもう確定しています。大学生活で深めたいあこがれのジャンルも持っています。先日の模試の結果が厳しかったのでその復習にもまず力を入れますと話していました。基本的には参考書や問題集に取り組む自学自習を中心にして、新しい生活のリズムをほぼ築いている状況がうかがえました。
絶対に現役で第一志望校に合格~進学してくださいね!と激励して、貴重なインタビューを終えました。

昨日は高2諸君を対象に、この春の卒業生諸君によるホットな「合格体験講演会」が行われました。「個別質問会」も交えて長時間、先輩達は本当に詳しく受験勉強の足取りを語ってくれたようです。それぞれの説明と助言は、たくさんのヒントに満ちていて、これからの戦いへ向けて貴重な激励になったことでしょう。

来月から、ここにいる皆さんは、高校2年そして高校3年へと進級します。諸君に改めて問いかけます。あなたはいま「こだわりの第一志望校」を持っていますか。将来にそれぞれ充実した人生を築くために、自分にふさわしい進路の目標をしっかりとつかんで欲しいと思います。その通路にある進学先の目標をくっきりと強く掲げて頂きたいです。
今回の大学受験では、地方の国公立や後期の国公立まで射程に入れて頑張った人達が多かったこと、特に教育系や医学系を目指す諸君が多かったことが印象的でした。
この春の先輩達も、「自分の願う未来」に近づこうと懸命に努力して、次々と志望校への夢をかなえました。苦闘の浪人生活を経て栄冠をつかんだ先輩達もいます。
ここにいる高2と高1の皆さんにも、間違いなく底知れない力があります。あとに続く素晴らしい皆さん達が、先輩達のエネルギーを受け継いでこれから頑張っていくことを信じています。

まずはこの重要な春休みを生かしましょう。いまどんな振り返りを行い、新年度へ向けてどんな助走をしていくのか、一人ひとりの自覚と決断が問われています。
大まかにでも長期的な計画を立ててみることです。そして目の前の小さな課題から丁寧に地道に、毎日の勉強に着手していきましょう。あやふやな基本を復習し、練習や反復を怠らないことが大切です。学問に王道はありません。来年度のそれぞれの大躍進につながる助走を心がけて、充実したメリハリのある春休みを過ごして下さい。
それでは4月にまた元気でお会いしましょう。・・・・・・以上で私の話をおわります。

 この一年間も校長通信をお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
 また4月の新年度開始に沿って再開したいと存じます。ご感想やご意見などお寄せ頂ければ幸いです。それでは皆様どうかお元気でお過ごし下さい。