校長より挨拶

湘南学園小学校長
林田英一郎

 湘南学園は、保護者の皆さんの願いをもとに誕生した学校です。

 学園が位置する鵠沼の地は、明治時代に別荘地として開発され、昭和初期には鵠沼を永住の地と定めて、東京から移住する方々が増えていきました。その中で「環境の良い土地で子どもを育てたい」という父母と有識者によって、1933(昭和8)年に誕生しました。

 はじめは数名の児童が集うささやかな学び舎でしたが、有志の方々のご尽力によって校舎が建築され、環境も整っていきました。現在では、幼稚園・小学校・中学校高等学校を併せ持つ、男女共学の総合学園へと発展しましたが、その来歴のままに、今でも鵠沼松が岡の閑静な住宅街の中に位置しています。

 来年には創立90周年を迎える今でも、建学の精神は受け継がれ、保護者の皆さんと教職員が力を合わせて、子どもの個性と自由を尊重する教育を実践しています。来校された多くの方々からは、「小学校の子どもたちは、明るく自由でのびのびと育っていますね。」という言葉をいただきます。私たちが考える「個性と自由の尊重」は、もちろん“やりたいことは何でも勝手にやれる”自由ではありません。共に学ぶ子どもたちがお互いのちがいを生かし、お互いを尊重しながら仲間とともに力を伸ばしていく「学び合い」が大切だと考えます。そうした学び合いの日々が、子どもたちの一人ひとりの中に「豊かな学び」を育み、将来的には様々な分野で力を発揮し、社会に貢献できるような力となっていくことを願っています。

 この4月で三度目のコロナ禍の春を迎えることとなりました。本校の教育も様々な制約を受けてきましたが、子どもたちが共に学び合っていく環境を維持していくことを心がけてきました。一日でも早くこれまでの学校生活を取り戻すことができるよう祈っています。

小学校校長 林田英一郎