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学園長からのご挨拶

湘南学園 学園長就任にあたって

学園長 橋本 匠司

 昭和58年横浜市小学校教員として採用され、教員人生がスタートしました。教員時代は、子ども一人ひとりの良さを見出し、それぞれが主体的に学びに取り組める環境づくりを目指しながら、日々の教育活動に取り組みました。子どもの成長は生活のすべての場面で見られることから、そこに寄り添うことを大切にしなければと常に考えていました。また、教員の質を高めるのは、やはり授業に負うことが大きいと捉え、様々な教科の授業研究に取り組み、区や市に向けての研究発表も行いました。特に体育科では校内の体育主任、区の小学校体育研究会部長、市のボール運動研究部会部長として、組織として活動することにより大きな力が発揮できることを学びました。


 平成23年3月11日、東日本大震災が起こり、日本中が辛く悲しい出来事に涙しました。その年、私は副校長になりましたが、同時にESDと真摯に向き合うこととなりました。被災地には直接赴くことはできませんでしたが、安全や環境に関する多くの研修会に足を運び、これからの教育はこのESDを基軸として行われていくべきだと強く感じました。そして地域との関わりを強く意識し、副校長として地域の方々との関係構築に力を注いだことを覚えています。
 
 校長となってからもESDを学校運営の中心に据え、日々の教育活動の中で教職員内のESD認知度を少しずつ高めていきました。3年目には横浜市に向けESD授業研究発表会を実施いたしました。その中で、やはり日々の学校運営そのものの中でESDの学びに継続して取り組み、学校力の向上を図ることが必要であるとの考えに至りました。
 
 そんな中、かねてより希望していた文部科学省在外教育派遣教員に合格し、平成29年インド共和国ムンバイ日本人学校校長として赴任することとなりました。その後令和5年にもカタール国ドーハ日本人学校校長としても赴任いたしましたが、インド3年間カタール2年間の在外教育施設での経験が、私の管理職としての大きな転機になりました。日本国内とは異なる環境の中、学校運営において重要になったことは、いかに正しい情報を取得するかということでした。さらにそれを生かした教育活動を実現するためには、児童・生徒・教職員を含め学校に関わる方々を巻き込みながら皆で知恵を出し合っていくことが必要でした。持続可能な学校を運営していくこと、それそのものがESDに繋がる活動であることを実感した5年間でした。


湘南学園での教育
 幼小中高が同じ敷地内にある総合学園であり、他に類を見ない建学の精神に基づいた教育実践が為され、PとTの共同によって運営されてきた湘南学園は、そこに関わる全ての方々の思いと願いが込められた日々の営みを積み重ねてきた素晴らしい学園であると強く思っています。そこにさらにESDの精神が取り込まれ、ユネスコスクールとしての教育活動が実践されているこの学園には、今必要とされている教育の形がすでに具現化されているのではないでしょうか。しかしながら従前とは異なり、日々進化していく現代社会の中で、教育現場においても様々な課題が生まれ、より的確にそしてスピーディに対応していく必要も生まれています。
 
 これまで培われてきた湘南学園の教育の良さを再発見するとともに、ESDの基盤である「ケア」の精神を核とした、湘南学園ならではの教育を継続、構築していくことが私の目指す教育であります。子どもたちにとって『学び続けることの楽しさを自然に感じ取れることのできる環境』『人との関わりの中で喜びを感じ、思いを繋ぐことのできる環境』を共に創り上げていきたいと考えています。そして学園についての話が出た時、「湘南学園て、こんな学校なんだよ!」と皆が笑顔で話ができるような、温かく、心地の良い、姿の見える学園を目指してまいりたいと思っています。
 
 創立100周年に向かう今、現状の正確な理解のもと、全学での相互理解と協力体制を常に見つめ、高めていく必要があると考えています。学園生のために関係者一同が対話を惜しまず、共同していくことが湘南学園の独自性であり、現在の学園の方向性そして様々な取り組みはこれからの学校のあるべき姿を現していると思います。しかしながら不確実性の時代と言われる現代において、実際の活動や取り組みはよりブラッシュアップされ、効果的なものになっていくことが望まれます。今後も様々な場面において皆様とそれぞれの立場で配慮ある率直な意見交換や交流を進め、これまで培ってきた運営のノウハウを大切にしながらも、時代にあった活動を実現し、持続可能な学校運営のための協力関係を深めることができればと願っております。



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