第248回 高校卒業式答辞・SDGs児童参加
今回は、学園生の取り組みに接して感銘を受けた、最近の場面についてご紹介します。
3月5日の湘南学園高等学校卒業式における高3卒業生代表の答辞、および3月12日に藤沢駅サンパール広場で開催された、藤沢市主催の[ふじさわ元気バザール」の中の『SDGsマルシェ』に参加した、学園小学校4年生の発表展示についてです。
いずれも様々な体験や苦労やチャレンジを通じて、たくましく成長していく学園生たちの姿から深く学ぶ貴重な機会になりました。順にご紹介していきます。
高校卒業式は高3卒業生と保護者、教職員と生徒会総務委員が参集してアリーナで行わました。式後の制約も残りましたが、こうして挙式できたのは3年ぶりのことでした。
恒例の「送辞」の担当者は、生徒会総務副委員長の高2光永智博君でした。学園祭実行委員や研修旅行委員も務めて仲間の人望も厚い生徒です。
コロナ禍で列席できない在校生を代表して感謝の気持ちをしっかり伝えたいと、一学年上の先輩達と出会った5年前に新生活を優しくリードしてくれた想い出や、合唱コンクールなどで笑顔いっぱい頑張る姿へのあこがれ、全国臨時休校とその後の制約で絶望的な状況から体育祭や学園祭を創り上げていった粘り強い姿に学んだことなどを述べ、卒業後は大海原にそれぞれの帆を立てて人生の物語を進めてくださいとのメッセージを寄せました。
「答辞」の担当者は、生徒会の前総務委員長を務めた高3瀧川理紗子さんでした。学園小学校の時代には児童会委員長も務めたリーダーであり、いつも物事を熟慮して行動し、レポートやスピーチの深い内容が印象深い生徒でした。生徒会最高学年をリードする立場に就き、満を持して取り組み始めた矢先にコロナ禍に直撃され、どんなに苦しく悩みの重なる日々であったことか。今回の答辞にはその全ての経験も糧にしての旅立ちの決意がこめられています。自分達を支えてくれた周囲の人達へ届けられた感謝の言葉も深く心に沁みました。式の直前には学年の仲間達と共に、お世話になった先生方に取材を行ってインタビューの内容を動画にまとめ、学年のみんなで共有してくれていました。
ではその全文を掲載しますので、じっくりお読みいただきたいです。
次にご紹介するのは、学園小4年生のチャレンジです。昨年度の「海の学校」や今年度の「山の学校」を苦労して実現し、海のゴミ問題、山林や川も通じた水の循環、地球環境や資源の現状、食品ロスの現状と対策など、「体験を通して学ぶ」子ども達の総合学習は、相互の内容がつながりながら2年間で広がっていきました。
理解を深めたSDGsについて「自分達も発信、提案していきたい!」という強い願いをどうサポートするか、学年の先生方は全力で向き合いました。動画作成や学年アートの制作など学外への発信活動を行い、市民イベントで名誉ある大賞を受賞しました。
これまでの学習の集大成として選んだのが、市主催の『SDGsマルシェ』への参加でした。立ち寄られた市民の方々に学習成果をまとめたチラシの配布や多彩な作品の展示を通じて説明やプレゼンを行う。その一環として専門家のサポートも受けて楽曲を制作し、市民の前で歌やダンスも披露する、という素敵な企画でした。
当日はスペースの制約を受けて各クラスから3名、学年9名が代表して現地で準備して活動を行い、学校に残った児童の皆さんとはZoomでつないで学年全体で共有する手立てがとられました。訪問した現地と教室をZoomで結んで学年全体で総合学習を行う方法は別の機会にも採用されていました。「新しい学び」のスタイルが進展している証がここにもありました。
会場は駅前の一等地であり、多数の人びとが行き交う場所です。イベント開始後、地元放送局の取材放映なども入り、子ども達は活き活きと取り組み、岸田校長と中許学年主任を始め先生方の温かいサポートの様子や、学園生保護者など関係者が笑顔で見学される様子も素晴らしく、湘南学園小学校を広くアピールできる絶好の機会ともなりました。
このような学園生の積極的なチャレンジの様子、これからの生活につながる頼もしい成長ぶりに接すると、気持ちが元気になり希望が広がります。
世界はいま大変に危機的な情勢に直面しています。変化の激しい社会の未来像への不安も広がっています。次世代の子どもや若者に直接関わることができる学校の役割について改めて捉え直し、成長に寄与していく教育の取り組みが求められています。
今年度も学園長通信をお読みいただきましてありがとうございました。春の気配が確実に広がり、桜の開花も楽しみになりました。感染予防対策を油断せずに励行しながらも、春の訪れを満喫できる機会を持ちたいものです。皆様それぞれにご家族や大事な方との憩いや団欒のお時間がとれますようにお祈りいたします。