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第6回 フランス「義務教育を3歳から」の報道に接して

2018年4月21日

 今月初めのニュースです。フランスで義務教育の開始年齢を現在の6歳から3歳に早めることが決定されました。来年秋から実施され、欧州ではハンガリーと並んで最年少の開始年齢になるそうです。

 フランスではもともと3~5歳の子どもを預かる「保育学校」があって3歳児の97%以上が通っており、希望者は2歳から入学できるそうです。

 しかし海外圏や移民系住民の多い地域では就学率が低い傾向があり、保育学校の就学義務化方針が出されました。マクロン大統領は、幼児期の「教育格差の是正」を強く唱えてこの決定を主導しました。

 フランスは旧植民地系の人びとを中心に世界から多数の移民を受け入れています。イスラム教徒など文化の異なる人びとも国内に大勢いるなか、フランス国民としての自覚を求めて、全体の統合に積極的なことでも知られています。生まれた家庭の環境格差が教育の格差にもつながり、国民の統合に影響が出ることを心配して、学校生活のスタートラインをそろえたと考えられます。

  日本はどうでしょうか。3歳児保育が普及しています。湘南学園でも年少組からの3年間保育を中心に幼稚園教育が行われています。

 この時期には、まず母親と子どもの安定した母子関係にもとづく健やかな成長こそが最も大切なことでしょう。湘南学園幼稚園は各ご家庭と連携し、入園したお子様一人ひとりに寄り添い、コミュニケーションを重ねています。日常生活の変化や新たな意欲、気になる状況が交わされています。一人ひとりの育ちの状況をふまえたきめ細かな保育が、教員団の綿密な情報の共有とチームワークによって展開されているのです。

 “3歳になったらわが子をどうするか”は親御さんや保護者にとって切実な関心事です。3歳児保育、習い事やお稽古事、家庭の子育てと外部への委託。そのバランスに悩まれることでしょう。湘南学園は、幼稚園、小学校、中学校高等学校を持つ総合学園です。15年間の歩みの中で一人ひとりの成長を見守り寄り添う教育の充実を期して取り組んでいます。