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第23回 高校生の幼稚園訪問実習~総合学園の体験学習!

2018年6月23日

 幼稚園に行って園児たちにふれると、心が洗われる思いがします。子どもの純真な可愛さ、天使のような笑顔、はじけるような生命力。指導される先生方のご苦労や大きな使命について理解できる思いになります。
 

 大昔ですが自分も幼稚園に通いました。数枚残る写真を見ると恥ずかしくなります。運動会なのか皆が同じ方角を向いているのに、自分は独りだけ別の方を向いています。すべり台で皆が順番に下りているのに、自分だけ横に立って所在なさげです。ずいぶん社会性のとぼしい園児でした。両親はどんな思いで自分を撮ったのか、尋ねてみたいけどもうかなわないことです。
 

 湘南学園幼稚園の園児たちは、愛情あふれる先生方の手厚いスクラムに守られて成長しています。今回は「総合学園」の湘南学園の内部で、高校生たちが幼稚園へ出かけて園児たちと関わることができる、とても貴重な独自の体験授業についてご紹介いたします。
 

 高校2年生は、全員が家庭科の授業を受けます。年間を通して家庭生活、子どもの保育、消費者問題など様々なテーマについて高校生の視点から学んでいきます。

 湘南学園の幼稚園では、子どもたちが力いっぱいあそびや諸活動に取り組むことを基本に、活き活きと生活する子どもを育てる、多彩な保育が展開されています。そこへ高2の生徒たちがクラス毎に「訪問実習」に出かけます。

 幼稚園の施設や環境、園児たちの生活ぶりを観察し、園児と楽しく遊ぶことをメインとします。なつかしい母校の再訪問にあたる高校生たちもいます。
 「お兄さん」「お姉さん」の到着を楽しみに待つ園児たちに迎えられ、遊びの仲間に入れてもらい、名前を呼びながら童心に帰って関わるのです。
 

 “子どもって可愛い!”と改めて気づき、自分の幼かった頃を思いおこすかもしれません。親の気持ちにも気づくはずです。いずれ将来“自分も親になるんだ”との思いもいだいて欲しいものです。その教育的意味にはとても深いものがあると思われます。

 女子は、さすがに子どもの扱いが上手な生徒が多く、いわば母性を発揮する姿に感銘を受けます。男子は、不器用でも懸命に関わる姿にふだん見られないような優しい表情がのぞきます。この実習をきっかけに、その後男性保育士を職業として選んだ諸君もいます。

 この貴重な保育実習は年2回予定され、現在第1回の実習が進行中です。どろんこ遊びなど園庭での遊びもあるため体操服になります。めいっぱい時間をとるため、朝の登校時に体操服に着替えを済ませます。

 訪問実習後にはレポートを提出してもらいます。言葉、表情、遊び、身体状況など子どもの様子を基本に、施設の工夫や先生方が保育に関わる姿を見て気づいたことをまとめます。1回目の反省を生かし、課題意識を深めて臨んで欲しいと、秋に2回目を行います。
 

 学園幼稚園の先生方の多大なご協力とサポートを頂いて長年続けてきた、伝統ある素晴らしい体験学習です。この訪問実習の機会をこれからも大切にしていきたいと思います。