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第155回 冬の遠い想い出と今の暮らし

2020年2月8日

 この冬は、暖冬の傾向がつづいています。先月に実施された小学校5年生の「雪の学校」も、今年は雪の少ない状況に直面してご苦労がありました。

 そういえば、いつも多用する「使い捨てカイロ」をあまり使わず、「手袋」の要らない日も今年はよくあります。「葉物野菜」の出荷量が多くて値段が安いのはありがたいですが、生産者のご苦労に申し訳ない気持ちになります。
 冬の暮らしの変化について今回はふれたいと思います。
 
 自分は幼少期に長野県にいました。朝晩の氷点下の冷えこみは当たり前で、家々に続く「つらら(氷柱)」は大きく、ボキボキ折っていくのが楽しみでした。 信州では、真冬に井戸が凍結して水がなかなか出ない朝も珍しくありませんでした。お湯を沸かして井戸にかけたりもしました。
 通った小学校には校庭がいくつもあり、陽の当たらない「北庭」は雪が降ると皆で踏み固めてホースで一面に放水し、即席のスケート場になりました。冬休みも無料でスケートができましたが、自分は「下駄スケート」だったので足が冷えて、立派なスケート靴にあこがれました。
 教室には大きな「だるまストーブ」がありました。薪もよく利用されました。雪合戦や雪だるまをよく楽しみ、顔も耳もしっかり覆って登下校しました。
 夜は「湯たんぽ」で足を温めて眠りにつきました。小学生まで銭湯に通い、冬は湯冷めを避けようと小走りに帰宅しました。小6以後は東京都に移り住み、中学時代に初めてわが家にお風呂がついて気軽に入浴できるようになった喜びは格別でした。
 子ども時代に楽しんだスケート場が近くになく、友達と休日に「よみうりランド」スケート場に電車で出かけることがありました。教員になってから神奈川県民です。わが子達や生徒達を連れて行った「ドリームランド」や「向ヶ丘遊園地」のスケート場がその後次々なくなったのは残念でした。
 
 「蛇口1つでお湯が出る」のが、今の暮らしでは当たり前です。
 暖房器具も種類が本当に増えました。家族の団らんの象徴の「こたつ」や、灯油や電気やガスの「ストーブ」は今も現役ですが、「エアコン」は暖房でも活躍しています。各種の「ファンヒーター」や「電気カーペット」や「床暖房」など、便利な新製品が続々登場しています。
 冬着も、薄手で軽くて防寒性に富む各種のアウターや肌着が、寒い日の屋外の行動や仕事をサポートしてくれる時代です。

 便利で快適さを増した暮らしは、今の子ども達には当たり前のことです。「昔は大変だったよ」と言ってもリアリティは伝わりにくいし、話を聞くのは面倒かもしれません。それでもおりにふれて暮らしがどう変わってきたのか、家族の歴史とともに伝えていけるような機会をもちたいものです。