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湘南学園の歴史の1ページ

2025年3月24日

湘南学園の2024年度がもうすぐ終わりを迎えようとしています。そして、新しい仲間を迎えて2025年度が始まります。この繰り返しを湘南学園は91年間続けて来たわけですが、その間には存続の危機に見舞われたり、社会的情勢に翻弄されたり、困難な問題に直面したり、山あり谷あり、荒波もあれば凪もある、そんな歴史を刻んできたのだと思います。そして、その時々に保護者の皆様、地域の皆様、学園関係者の皆様、諸先輩方の並々ならぬ努力の協力、連帯があったからこそ現在の総合学園としての湘南学園が発展してきたのだと思います。過去へ、歴史へ、先人への感謝の気持ちを忘れずに、さらなる困難な時代の中でも、湘南学園の歴史に1ページを残し続けるために前に進んでいかなければなりません。

高等学校に始まった卒業式は、中学校の修卒業式、幼稚園の卒園式、小学校の修卒業式を終え、湘南学園にはひと時の静寂が訪れています。湘南学園への入り口の幼稚園から、出口の高等学校までの式に参加して感じることは、「空気」です。その「空気」は、眼差しと言ってもいいかもしれません。それぞれに形態は違いますが、子どもを見守っている大人、学園生たちの眼差しが温かいのです。特に幼稚園では、子どもたちがいるだけで大人は笑顔になります。子どもたちがまるで笑顔の魔術師のようです。小学校では、10曲の歌と呼びかけで式が流れていきます。卒業生が壇上に位置し、式に参加し、担任から卒業証書を受け取りながら退場していく様は、自立を認め、次のステージへと後押ししているように見えます。高等学校、中学校は、儀式的な部分を残しながら、その中で個性を表していました。高等学校は、湘南学園を後にして、これまでより広い社会に飛び出すわけですから、その覚悟と志が求められます。静かに湘南学園での学びを振り返り、自分自身を励まし、人生を豊かにしていってほしいと願います。

高等学校の卒業式でのはなむけの言葉として今年は、「幸せな子を育てるのではなく、どんな境遇におかれても幸せになれる子を育てたい」という上皇后美智子様の言葉を引用しました。誰しも子どもの幸せを願うのですが、今までのように誰かが褒めてくれたり、認めてくれたり、励ましてくれるとは限りません。幸せを感じられないで辛い思いをしてしまうかもしれませんが、身近にある幸せに気づいたり、感じたりすることが必要になります。その時に大事なのは自分自身を認めること、励ますこと、頑張りを褒めることです。それを「セルフエンパワーメント」と言います。思い通りにいかないことや、うまくいかないことが多くなると思いますが、「セルフエンパワーメント」ということを思い出して。幸せな人生を創っていってほしい。そして、少しでも余力があったら、他の人を励ましたり、応援したりしてください。お互いにエンパワーしあい、認め合い、励まし合えればみんなが幸せな社会になります。それこそがSDGsで目指していることです。こんな話をしました。

今年度も湘南学園を支えていただいた皆様、ありがとうございました。来年度は、中高に続いてユネスコスクール正式加盟した幼稚園(神奈川県初)、もうすぐ正式加盟予定の小学校で、全学ユネスコスクールとしてESD推進拠点としての役割を担いつつ、さらなる成長をしていきたいと思います。引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。