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第108回 梅雨時~カタツムリはどこへ

2019年7月3日

 近年、梅雨時になると、いつもふと気になることがあります。
 「カタツムリ」を見かけなくなったことです。昔はいっぱい見つけたのに、すっかり不在の様子です。今日はこのことについてふれたいと思います。
 
 学園の教員になって間もない梅雨の時期、鵠沼海岸駅からの通学路で一緒になった担当学年の中学生と、小さな遊びを時々しました。
 駅から学校まで「カタツムリ」を何匹見つけたか数えてみよう、というものです。道の両側の住宅の塀沿いを中心にいるいる、ここもあそこも~カタツムリはいっぱいいました。合計して何匹だったか“けさの成果”を喜びました。一度で30~40匹も数え上げたことがありました。
 
 筆者は信州生まれですが、「でんでんむしむし かたつむり」の童謡は子ども時代の愛唱歌のひとつです。ふだんの生活は虫や生き物に囲まれていました。盛夏には「セミ」の大合唱、初秋には「ウマオイムシ」や「エンマコオロギ」の大合唱が風物詩でした。雨上がりには水たまりいっぱいに「アメンボ」が。田んぼではのどかな「カエル」の鳴き声。近所の養蚕場ではお蚕の大群が桑の葉をムシャムシャ食べる通奏低音が印象的でした。
 
 こうした光景自体がごく少なくなったことはわかります。ちなみに「カタツムリ」と「ナメクジ」は似ているけど別の生き物であることを知りました。誤解していました。海外ではカタツムリが食材になる国もあるのは有名ですが、現代の子どもたちはカタツムリに出会う機会はほぼ皆無かもしれません。

 都市部の住宅地ではやはりカタツムリが激減しているそうです。除草剤や駆虫剤が散布され、落ち葉はすぐに撤去される時代です。湿った土壌に恵まれない環境では、カタツムリは生きていくのが困難と指摘されていました。それでも広い範囲ではわかりません。「あそこへ行けばいっぱいいるよ」といった情報をもつ学園生がいたら教えてほしいと思います。