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それぞれへの期待

2017年9月29日

 昔から伝えられる言葉には、なるほどと思わせる表現があります。「暑さ寒さも彼岸まで」もそのひとつなのではないでしょうか。
九月しばらくは暑さが残り、気温も高めの日が続いたものの、彼岸を迎える頃になると穏やかな日和となってきます。そして九月末、辺りはすっかり秋の気配となりました。
 
 そんな中、『幼稚園だより』(NO.9 2017.9.26)が届きました。季節を細やかに描写した文頭をそのまま引用させてもらいます。

「空は深く澄み渡り、秋晴れの心地よい季節になりました。
各クラスには「秋」を感じさせるどんぐり、栗、いが、さつま芋、彼岸花、コスモス、小菊、木の実などが届いています。裏庭にある金木犀がいい香りを幼稚園中に漂わせてくれ、草むらからはコオロギやキリギリスなどの虫の声が聞こえてきます。日一日と秋の気配を感じられるようになり、子ども達は視・聴・嗅・味・触の五感をフルに使いながら移り行く季節を肌で感じているようです。」

 毎回楽しみにしている『幼稚園だより』を読みながら、子どもたちに負けずに秋の素晴らしさを「五感をフルに使いながら移り行く季節を肌で感じていきたい」と私自身が思っているところです。

 『幼稚園だより』の絵手紙の話も心に残る内容でした。

 「敬老の日」に因んでお年寄りを敬う気持ちを育んでほしいという願いのもと、子どもたちが、おじい様、おばあ様に絵手紙をお送りしたという話です。

 「年少さんは可愛い手形のスタンプ、年中・年長さんはサインペンでの自由画の絵手紙」、そして、おじい様、おばあ様を思い浮かべながら描いた子どもの気持ちを担任が代筆したということでした。

 おじい様、おばあ様が絵手紙を前に大層喜ばれたことが子どもたちを通して伝わったことをお聞きしました。絵手紙をご覧になった保護者の方からは、感謝のお言葉をいただいたとのお話も伺いました。小さな一枚の絵手紙が届けてくれたものは、想像をこえるほどの大きな広がりをもったようにも思っています。

 子どもたちの温かな思いやりに加え、絵手紙(手紙、葉書等)のもつ温もりのようなものを改めて教えてくれるようなうれしい出来事でした。


 小学校では、「たいいく表現まつり」の準備が本格化しています。

 本学園小学校は、運動会を「たいいく表現まつり」と呼んでいます。「たいいく表現まつり」は、1年生から6年生まで各学年ごとに民舞に取り組む「表現の部」と競技種目で競う「運動の部」から構成されています。

 民舞の練習や競技の練習の声が聞こえ、応援練習も含め、子どもたちの取り組みがますます真剣みを帯びてきている感をもちます。10月7日の「たいいく表現まつり」、今から大いに楽しみにしています。
 
 そして、小学校では、9月26日、神奈川県私立小学校協会と神奈川県私立小学校教育研究会音楽部主催の音楽会が開かれました。

 湘南学園小学校の子どもたちが、音楽を大切にし、また楽しそうに音楽に取り組み、そして見事な発表を見せてくれることにいつも感心しています。

 9月26日、相模女子大学グリーンホールを会場に、学園小学校4年、5年、6年の有志47名が、上記の音楽会に参加し、2曲の合唱を発表しました。

 最初の曲「船でいこう」は元気の出る曲、次の「しあわせがあつまるように」はとてもきれいな曲ということです。

 「船でいこう」は、「生活が便利になり、なんでも簡単に手に入る時でも未来に向かって自分たちの力で帆を上げ、舵をとって進んでいこう」という内容の歌詞ということでした。学園小学校にふさわしいような曲にも思えてきます。そして、「しあわせがあつまるように」の曲には、聴いている人が幸せな気持ちになれるような気持ちで歌ってくれたということを聞きました。

 曲のテーマ「自分たちの力で帆を上げ、舵をとって進んでいこう」、そして、曲そのもののタイトルである「しあわせがあつまるように」、それぞれ、学園小学校の子どもたちの日々の生活が表現されているようにも思え、併せて、学園小学校の未来につなぐ言葉のようにも感じています。
 
 中高は、9月30日、10月1日の学園祭に向けて準備が最後のスパートに入っています。今年のテーマは、「Why don’t we do ?」。今年のテーマには、「一人ひとりの個性を発揮して、最高の学園祭をつくろう!みんな、やってやろうよ!」という思いが込められています。さらに、「熊本地震や東日本大震災で被害に遭い、苦しい思いをされている方々ともつながっていくために、私たちにできることを考え、さらなるチャレンジをしていこう!」という生徒たちの想いが込められた学園祭でもあります。ぜひ、湘南学園中高をご理解いただくためにも、多くの皆様にご来場いただきたいと願っているところです。
 
 中高では、さまざまな形でのグローバル教育が着実に進展していることを実感しています。各種の海外セミナー、あるいは、ロータリークラブの交換留学等も、活発な交流の重要な柱となっています。

 この一年間本学園での留学で多くの成果を得られたマリーヌさんが7月にフランスに帰国し、今月からは、同じくロータリークラブの交換留学生として、米国オレゴン州からブリティンさんをお迎えしての歓迎会が行われました。

 私は、いつも申し上げているように、高校生の年代に異なる文化に触れること、あるいは異なる国の同世代の人と交流することは、貴重な経験であり、またとない学びになると思っています。留学する本人はもとより、受け入れた留学生と一緒に学ぶ他の生徒にとっても貴重な学びの機会になり、成長や視野の拡大につながっていることを実感しています。

 歓迎会では、ブリティンさんからの日本語による素晴らしいスピーチがありました。ブリティンさんにも学園生双方にも、共に成長できる一年間にしてほしいと期待しています。
 
 海外交流について言えば、湘南学園の姉妹校であるオーストラリアのノックス校の生徒の皆さん、先生方をお迎えし、9月23日に学園において歓迎会が開催されました。

 ノックス校とは、学園中高生が毎年夏休みにオーストラリアセミナーで訪問し、九月にノックス生が本学園を訪問するという形での交流が行なわれています。私も七月にはノックス校を訪れたこともあり、生徒の皆さん、とりわけ、学園長アラン先生ご夫妻、ティナ先生、ニコ先生とは、うれしくも懐かしい再会となりました。

 歓迎会に参加した生徒の中には、七月のノックス校でのオーストラリアセミナーに参加したこともあり、うれしさが全身からほとばしるような再会の場面も見られました。

 ノックス校は、例年の「ジャパンツアー」という企画で、京都、大阪方面を訪問し、再び湘南学園の生徒との交流を行います。

 幼稚園、小学校、中高を持つノックス校は、メルボルン近郊にあり、恵まれた教育環境、広大な敷地、優れた教育成果等多くを学ばせていただいている学校です。

 学園長アラン先生とは、「今後積極的な交流を進め、両学園がさらに成長できるようぜひ協力していきましょう」ということを互いに確認をさせていただきました。

 秋の深まりを感じる九月、湘南学園幼・小・中高それぞれへの期待を感じた月でした。