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第218回 ワクチン接種をめぐる動き

2021年6月16日

 新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐる動きが、広く全国で注目を集めています。
 ごく身近な地域の動きから、更に世界をめぐる大国間の情勢まで気になる日々であり、今回はこの問題にふれたいと思います。
 
 自分自身、高齢者接種の対象者の1人として、接種券が自治体から先月届けられました。
 市の予約開始日に電話しましたが、開始時刻から不通の状態が長く続きました。Web予約も途中で滞り、いずれはと願ってコールセンターにかけ続けて数日後につながりました。

 市の人口と電話回線数の限界から予想できる事態でしたが、一方でそもそもスマホ等を持たなかったり、ネット申請は難しく代わりに予約してくれる家族がいない高齢者も大勢おられるはずです。自分は予約できて幸運な方でした。
 市でも電話受付時間帯の延長や集団接種会場、医療関係者の増加などに努めています。政府は、全年齢層への接種完了を早期に達成したいと「大規模接種会場」の対象を全国に広げ、「職域接種」の実施についても全国の様々な事業所に奨励しています。
 

 世界では、早期に着手して国民の接種率がもうかなり高い国もあれば、ワクチン接種がほとんど進んでいない貧しい途上国も多数あります。

 11日から開催されたG7首脳会談では、WHO(世界保健機関)などの提言も受け、ワクチン数億回分を世界各国に届ける方針が協議されました。
 米英の首脳らはワクチン供給による貢献・救済を可能な各国に呼びかけましたが、世界全体で流行をしっかり抑え込まないと危険な変異株が新たに登場し、ウイルスは国境を越えて再発が繰り返されるのです。 
 ワクチン提供を外交的影響力を強める道具のようにする動きも批判されています。
 ワクチンを人類共同の財産として、平等な普及を優先して急ぐことが求められているのです。
 
 日本で「国産ワクチン」の開発が遅れたことは、医療先進国のはずなのにと意外な印象が持たれました。ワクチン接種を加速させる様々な取り組みを理解しつつも、東京五輪・パラリンピックの開催と準備をめぐる疑問や批判も広がっています。

 ワクチン接種はいま多くの人達にとって誰もが当面する自分事であり、大切な家族や友人や子ども達の切実な願いでもあります。正常な学校の教育活動に戻っていくためにも、ワクチン接種を早期に実現することは重要なステップになります。
 学園生や保護者、学園関係者の皆様が、一日も早くご希望の場所でワクチン接種を完了されますようにお祈りいたします。