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第219回 教職への道~教育実習の体験

2021年6月23日

 梅雨入りして傘の出番が増える時期になりました。豪雨は困りますが。多くの生き物にとって恵みの雨でもあり、草花や農作物が喜んでいます。

 さて、中学高校では先週から教育実習が始まりました。7名の学園卒業生が3週間の実習に臨んでいます。小学校でも来月初旬まで実習生が1名取り組みます。幼稚園でも先週まで実習生が1名取り組みました。湘南学園の幼小中高を通じて教育実習・保育実習が年間計画に組まれていますが、学園生にとっても先輩達との貴重な交流の機会になります。今回はこのテーマにふれたいと思います。
 
 公立でも私立でも公教育の教員メンバーになるには、「教職課程」の講座を履修し、「教育実習」を体験して「教員免許状」を取得し、「採用試験」を通過することが必要です。そこでは筆記試験・面接・時には模擬授業の関門があります。まっすぐ第一志望の教員になる人もいれば、ひとまず免許を得るだけで他業種に就職する人もいて、大学院へ進学してから改めて教職を再考する人もいます。

 子どもと教育をめぐる様々な困難が深まる中で、学校の教職は「ブラックな仕事」と見られる傾向が近年広がりました。実際全国で、教員採用試験の応募者が公立でも私立でも減少しています。次世代の子ども達に向き合う学校教員の仕事の重要性を理解しつつも、日本の学校に特有の業務量の多さ、保護者の願いや教育行政の要請に応える上での負担、「働き方改革」をめぐる現状などから敬遠されがちと思われます。
 
 それでも教職固有のやりがいや手応えは他に代えがたいものがあります。
 自分の場合は、高校時代から教職は選択肢の1つでした。大学時代に母校の都立高校は満員で近隣の商業高校で教育実習を認めていただき、生徒達との交流や授業後の感想に励まされて教職への思いが深まりました。卒業後に短期間の出版社勤務を経て湘南学園の非常勤講師に着任し、翌年に専任採用していただきました。

 私立学校の担当者の一人として「こんな教員になりたい!」「子ども達とこんな分野で共に取り組みたい!」といった強い願いを持つ教職希望者こそ是非私学で、わが湘南学園にお迎えしたいです。転勤もなく長い年月を通して同僚の仲間と切磋琢磨し、腰をすえて子どもに向き合い取り組んでいけますよ、と力説したいのです。
 
 先週の実習初日、オンラインで行われた朝礼で実習生がそれぞれ自己紹介に臨みました。カメラに向かっての形式ですがしっかり語りかけていました。
 中高時代に所属した部活動や生徒会総務にふれ、後輩達と接点を持てるのを楽しみにしますとの話、担当するクラス・教科だけでなく幅広く在校生と話したい関わりたいとの話が大きな共通項でした。

 その前の教員室での各自挨拶では、生徒時代に教員志望の願いを持てた学園生活の舞台で教壇に立てることが念願だったとのコメントが複数あり、印象的でした。
 母校の学園で教員になりたいとの夢を持つ学園生が毎年いてくれます。そして実際に学園教員に就いてくれた人たちが幼小中高に何名もいます。
 想い出の学校行事に今度は教員として関わってその苦労も知り、学園生達の懸命の努力に接してサポートできる醍醐味を口々に語ってくれます。そんな卒業生の教職員の人達も将来へ向けて末永くお迎えできる湘南学園でありたいと思います。