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第220回 長いコロナ禍の生活と心身への影響

2021年6月30日

 6月末の本日で、早くも2021年の前半が終了になります。
 先日の政府決定で「緊急事態宣言」が解除され「まん延防止等重点措置」に移行した都道府県が多くなりましたが、神奈川県でも対象地域を縮小して重点措置が更に延長されました。
 東京五輪の開幕予定があと3週間近くまで迫りながら、専門家からは東京など「新規感染者数がこのままでは早期に再拡大する心配が強い」との警告が続く厳しい情勢です。
 今回はコロナ禍の長引く生活の中で、子どもの心身への影響と大人の関わりについて改めて考えてみたいと思います。
 

 昨年度とは違って今年度は、4月当初から様々な制約を受けつつもほぼ通常の学校生活が続けられてきました。一方でこの時期はどこでも子どもの疲れや悩みが顕在化しやすいことが指摘されます。中高保健室の先生に伺うと、例年6月は新クラスやクラス替えに伴う人間関係の変化で悩みを抱えたり、最初の定期試験の前後につらい気持ちになって来室する生徒たちがいるそうです。部活動が正式に始まって練習や新たな交友が楽しい生徒も多いですが、疲れがたまって勉強との両立に悩むことも少なくありません。

 世間では外出の自粛期間が続き、休日や連休中も家にこもってゲームやネットに没頭して生活リズムを崩す子どもが増加したことが指摘されます。「早寝早起き」から程遠い生活リズムから抜け出せなかったり、家庭内の不和から自室にこもったりするケースも起きやすいのです。

 同じ時代の中で生活する大人としてそうした子どもの状況に思いを寄せたいものです。一年以上続くコロナ禍の中でまともに遊べず、楽しい予定にも恵まれず、ストレスを発散できない日々。子どもの心のケアはまず身近な大人や年上が担わなくてはいけません。小さな気づきから声をかけ気軽に話してごらんと寄り添う姿勢が求められます。
 
 コロナ禍で私たちは様々な「社交の場」をずっと奪われ、再開の目途はまだ立ちません。「3密を避ける」制約がまだまだ続く生活です。この期間を通じて私たちは人と直接に会うことのかけがえのなさも再確認してきました。お気に入りの店で談笑して共に食事をする楽しみも、皆で歌ってワイワイする喜びも、コンサートやスポーツ゚で大勢の人たちと盛り上がる一体感も自粛を重ねるのはつらいことでした。子どもや若者への影響は一層深いはずです。だから何より出来るだけ笑顔の広がる学校や家庭を目指していきたいものです。

 メールやラインで個人がいつでも連絡を取れる便利な時代です。一方SNSの比重が強まり負担に感じる人びとも増加しました。そんな若者や子どもがとても多いことが推察されます。
 何気ない対面の関わりを大事にしたいです。まず「おはよう」「さよなら」、「ありがとう」「ごめんね」の挨拶や一言を家族間や教室校内で心がけたいです。毎朝の通勤路でも努めて近隣の小学生や学園生に声をかけています。
 
 そして子どもに相談事や聞いて欲しい事がありそうな時は、傾聴第一で向き合うことです。相手の話をじっと聞いて時にはこちらもじっくり話す。オープンな対話の中から子どもに気づきやヒント、新たな意欲が芽生えることもあるのです。