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第241回 湘南学園の成り立ちと独自の運営

2022年1月26日

 湘南学園は、一般的な私立学校と異なり、教職員と保護者が協力して運営する独自の運営形態を持っています。経営方針や教育内容をリードする特定のオーナーや指導者がいるわけでなく、特定の大学の附属校でもありません。全国的にみても本当に稀な成り立ちをしています。今回は改めてこのことについてお伝えしたいと思います。
 
 湘南学園生は、基本的に幼・小・中のどこかで入学し、幼稚園から高等学校まで最長では15年間にわたって学園生活を送り、それぞれ成長していきます。保護者の方々も幅広い年代にまたがり、お住まいの地域やお仕事の経験なども実に様々です。
 幅広い世代層の間で交流される情報も豊富であり、ベテランの保護者の方から子育てのヒントをもらったり、若い保護者から新しい発想を得る機会にも恵まれています。(以上の記述は、『湘南学園PTAのしおり』)も参考にさせていただきました。)
 
 今年度で創立88周年を迎えた湘南学園は、昭和8年(1933年)に軍国主義の強まる風潮に抗して、子どもの成長と幸福を第一に「わが子を託せる」学び舎を創りたいとの強い願いから発足しました。創立関係者の尊いご寄付やご尽力を受けて小学校と幼稚園から数名規模で開学され、在園生が次第に増加し、戦後に新制の中学校と高等学校も設立されました。そして幼小中高を併せ持つ、男女共学の総合学園として長い歩みをたどってきました。
 現在も保護者の代表と教職員の代表が協力して法人運営を行い、PTA・同窓会・後援会・NPO法人の湘南食育ラボや放課後アフタースクールなど、広範なパートナーのご協力やご教示をいただきながら、学園の運営が進められています。
 
 法人運営の基礎になるのは評議員会です。保護者と教職員からそれぞれ評議員が選出されます。学園長やPTA正副会長、各校長・園長と事務局長はそのまま就任し、保護者と専任教職員から立候補を基本に互選された方々が評議員に就任します。学園卒業生や学識経験者の就任枠もあります。2年任期でお子様のご卒業まで再任も可能です。
 そして評議員の中から保護者理事と教職員理事がそれぞれ互選されて理事会を形成します。監事の方々も就任され、独立した立場で法人の業務と財産状況を監査します。保護者の評議員や理事の方々は、それぞれのお仕事を通じて深い専門性をお持ちの方も多く、ボランティアでありながら広範な議題の検討で大変なご尽力をしてくださいます。教職員の評議員・理事も通常の教育実践や諸業務に加えて、募集・採用・校舎施設等の課題と財政収支の視点を深め、中長期の学園づくりの展望を持って任務に臨みます。
 理事会は毎月1回理事長が招集するのが基本で、評議員会は理事長が年に数回招集し、予算及び事業計画を始め重要な諮問事項について意見が聴取されます。そして法人事務局が関連する膨大な諸業務を進めていきます。
 
 このように湘南学園は保護者と教職員が手を取り合って運営される、手作りの私立学校です。学園生活の充実、学びや体験のサポートを願ってより良い教育環境を整え、持続可能な湘南学園の発展を期して将来への基盤づくりを進めます。
 幅広い年代のご父母・保護者の方々が経営に携わってくださることが湘南学園の個性豊かな発展にとって重要です。法人運営にもぜひご参加を、との呼びかけがPTAや理事会からなされます。多くの保護者のご参加をお待ちしています。