A Random Image

素敵な学園生

2023年6月8日

大グランドから子どもの泣き声が聞こえてきました。気になって窓から見てみると、小学生の子どもがうずくまって泣いていました。体育の時間で今日は小学生が大グランドを使って思い切り運動をしています。その中で、何があったのでしょう。少し離れたところで一人泣いているのです。体育の時間ですから、うまくいかなかったり、ゲームに負けてしまったりして泣く子を見かけることはあります。本当のことは分かりませんが、悔しくて泣くことは決して悪いことではありません。
 
どうするかなあ、と思いながらしばらく見ていると、試験が終わった中高生の二人が、泣いている子のところに近づいて行きました。少しは離れたところから優しく声をかけているようです。そして、指さしながら何かを話しています。5分、10分、その場に立ち止まって寄り添っている様子でした。もちろん、泣いていた子は泣き止み、中高生の二人の声掛けに応えていました。そうしているうちに、クラスの子どもたちも近寄ってきて声をかけているようでした。そして、クラスのみんなが戻ってくるのに合わせて、先生と一緒に教室へと戻っていきました。それまで、その二人の中高生はずっとその子に寄り添っていました。素敵な学園生です。
 
困っている人がいたら声をかける(ケア)ことが日常化しているのでしょう。自分が困っていた時には、声をかけてもらった経験があるのかもしれません。毎日の生活の中で、様々な出来事があります。自分にとって穏やかな気持ちでいられることばかりではありません。「自分の機嫌は自分でとれ」と言われますが、まだ成長途中の子どもは、なかなか自分の気持ちを抑えることができません。上手に抑えることができる子どもも、無理をするとどこかで混乱してパニックを起こすようなこともあります。成長のステップですから逞しく立ち直ってほしいとは願いますが、優しい声掛けが必要な時もあります。
 
総合学園である湘南学園。中高生にとって幼稚園や小学校の子どもたちは、自分の弟や妹のように映っているのではないでしょうか。今日、大グランドで見かけた出来事は、そんなことを感じさせてくれる光景でした。二人の中高生の皆さん、ありがとうございました。創立90周年の年、こんな素敵な学園生をたくさん見つけたいと思います。