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創立90周年記念事業を終えて

2023年12月5日

12月を迎え、湘南の空も雲に覆われ、どんよりした天気になることが多くなりました。夏の猛暑も忘れてしまい、コートにマフラー、防寒着を着て過ごす日々がやってきます。暖冬とは言いますが、やはり冬は寒いですし、雪も多くなるかもしれません。それにしても秋はあったのでしょうか。日本の四季が少しずつ、崩れてきていることを感じつつ、世界で起きていること、日本の中での様子を憂いながらの師走です。
 
さて、11月19日(日)湘南学園創立90周年記念事業には、多くの方に来場いただき、また、晴天に恵まれ盛大に開催することができました。「つなぐ・つながる」というテーマは、総合学園としての永遠のテーマでもあり、世の中のつながりが薄まってきている中で、社会においても重要なキーワードにもなってきています。大先輩の卒業生から現役学園生まで、世代を超えたつながりは湘南学園の魅力の一つでもあります。人生100年時代にマルチステージで生きる次世代にとって、湘南学園90年の積み重ねによるつながりは大きな支えであり、多方面で活躍されている先輩方は学園生にとって希望であり、力となっていただけることと思います。「感謝」の気持ちをもって、90周年を振り返り、100周年に向けた歩みを始めたいと思います。また、90周年、さらに100周年に向けて湘南学園の発展のためにご寄付いただいた皆様に、この場を借りて深く感謝申しあげます。ありがとうございました。なお、詳しい振り返りにつきましては、今年度末に発行する「湘南学園だより」に掲載させていただきます。
 
12月に入ってすぐの2日(土)に、幼稚園で「がちゃぺたらんど」(作品展)が開催されました。この日も晴天で温かく、多くの方に参観していただきました。ご家族そろって、おじいさまやおばあさまとも一緒に見学している様子が見られました。「これは〇〇ちゃんが描いたの?」と言って嬉しそうに写真を撮っていらっしゃるおじいさまを、自分に重ねてみながら微笑んでしまいました。子どもたちは小さな芸術家です。すべての作品を見て、描いている様子、作っている姿を思い浮かべました。自然に物語が浮かんでくるような作品があり、子どもの可能性は計り知れない、大人にはできないことだと感じました。
 
子どもたちの作品を見て感じたことは、「今しかできないことを全力でやること」「自分にしかできないことを自信を持ってやること」「自分の感じたことを大事にすること」そして、それを邪魔せず、伴走する大人がいること、それが大切なんだということです。きっと、年を重ねていくごとに、「枠にとらわれ、他人と比べ、言われた通りにやらされ、我慢させられ、黙らされ、笑顔を失っていく」ことで、自己肯定感も低くなっていくのです。それは、誰もがみんな通ってきた道ですし、今もその道は続いています。これからの社会を創る人を育むために、子どもを信じて、子どもの判断に委ねることができるのか、今、大人が問われているのだと思います。子どもに考え、判断し、選択していく力をつけることは、子どもたちが将来、幸せな人生を送るために欠かせないことなのです。
 
湘南学園の学びは、どのように変わっていくでしょう。90年の積み重ねが教育活動に生かされていくのも、私学のいいところです。そして、新たな社会を創る子どもたちに、新たな学びを用意することも私学に求められます。常に、先見性を発揮して、時代を切り開いていく湘南学園になるために、関係者の知恵を結集して新たなビジョンを作成していく時を迎えました。