A Random Image

あの日まではふつうの日だった

2024年3月2日

大グランドからは子どもたちがスポーツを楽しんでいる声が、春風に乗って聞こえてきます。中高は期末試験中なので、大グランドから聞こえる声は小学生です。休み時間やクラブ活動、体育の時間も大グランドが空いているときは、小学生が使っている姿が見られます。これも総合学園の良さなのかもしれません。また、小学校のグランドで幼稚園の子どもたちがイベントをしているときもあります。つい最近は、年長組も「さくらの日」に小学校グランドで再び「らんらんにこにこらんど」を行いました。幼稚園の思い出と、これからつくる思い出で「さくらおもいでらんど」と名前を決めて、もも組、すみれ組を招待して、自分たちでイベントを計画・運営していました。4月から小学校に入学する年長組の子どもたちの成長には目を見張るものがありました。
 
さて、能登半島地震から2か月が経ちました。避難されている方も1万人以上、電気や水、道路など復旧ができないままのところも多いようです。再開した学校への支援を考えているのですが、なかなかニーズが集約されていません。輪島市立小学校の知り合いにメールしてみました。すると、「毎日のように支援物資が届き、文房具やお菓子などは少し過剰気味です。ただ、強いてあげれば、汚れてる上履きを履いている児童が多いかもしれません。洗うこともできず、買うこともできずにいます。輪島の靴屋は大きな被害を受け、数少ない靴屋も店を閉じました。そもそも、今上履きを買える店があるのかどうかもよく分からない状況です。今、輪島に必要なのはボランティアさんたちの力です。被災家屋が多く、年寄りばかりの町では限界があります。これまでお断りしていたボランティアさんたちをお泊めする場所がやっと用意でき始めました。これから期待したいところです。」と返信が来ました。最近、テレビ報道も減ってきて被災地の様子がよく分かりませんでしたが、必死で生活をされているのだと感じました。特に、校長先生なので、被災後はずっと学校に泊まって避難所開設に関わっていらっしゃったそうです。学校再開に向けて準備され、子どもたちと一緒にできることから一つ一つ始められているのだと思います。現時点では、学校への支援より、ボランティア派遣への支援が求められていることも分かりました。
 
今朝は、千葉県東方沖の地震が相次いで起こっていると報道されていました。まもなく東日本大震災から13年になります。地震を他人事にせず、常に危機感をもっておく必要があります。今後、南関東で大地震が起こることも予想されていますので、家具の固定や住宅の耐震化、避難経路の確認など、地震への備えを改めて確認しておきたいところです。夏の猛暑も冬には忘れます。かぜをひいて高熱で苦しんだことも、かぜが治ったら忘れます。忘れることは、生きていくうえで大事な力だと言われますが、忘れないように身に付けておかなければならないこともあります。地震が起きたらどう行動するか?火事になったらどうするか?津波が来たらどうするか?・・・東日本大震災の後、しきりに言われた「自助」災害時に命を守る行動がとれるように訓練しておく必要があります。学園でも避難訓練をどのように行うか協議し、各パートごとに発達段階に合わせ、立地条件に合わせ、想定を考え、実施していくことを確認しました。予告なく行われる訓練もあると思います。各パートからの連絡やSNS等の発信でご覧いただければと思います。
 
「あの日まではふつうの日だった。」
東日本大震災の津波から逃げてきた子どもが、私に伝えてくれた言葉でした。