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湘南學園繪葉書

2024年7月10日

梅雨のイメージが変わりつつあります。「降れば豪雨、晴れれば猛暑」、もうすでに日本は気候が変わってしまって、ジメジメ梅雨のイメージは過去のものになっていくのでしょうか。今年になって目立ち始めた姿は、道行く人はハンディファンを持ち、ネッククーラーを着け、水筒から水分補給をし、熱中症予防をしています。建物の中にいても、一日中クーラーを付けっぱなしにしなければならないようです。猛暑日や熱帯夜は8月の話かと思っていましたが、今や7月に入ると毎日のように聞く言葉になりました。のんきにその変化を傍観している場合ではありません。これから梅雨明け前の豪雨被害、梅雨明け後の猛暑を考えると、生命の危機を感じ、命を守る行動を最優先しなければなりません。
 
地球温暖化は地球沸騰化と言われ、気候変動は気候危機と言われるようになりました。本当に危険な状態になってきました。「持続可能性」という言葉を教育の場でもよく聞くようになってきました。将来世代も安心して豊かな生活を送ることができるのでしょうか?そもそも、現世代はどうでしょう。しっかりと現実を見ながら、未来への希望をもって社会づくりを考えるのが、これからの教育の在り方です。ですからESDは、大変重要な役割を果たす教育なのです。持続可能な社会を創るために、私たちにできることは何でしょう?
 
先月あたりから、鵠沼海岸駅を利用するたびに気になる江ノ電と小田急のコラボ・ポスターがあります。「絵はがきになる日常を。」と書かれたポスターですが、それを見たときに思い出したことがありました。それは、今年度が始まってすぐの頃、中高の伊藤校長が学園長室にやってきて、「住田先生、お宝発見しました!」と見せてくれたのが湘南学園の絵はがきでした。表には、滑り台で遊ぶ子どもたちの写真に「湘南學園繪葉書」と書いてあり、校章も今の形と違います。中には、絵葉書が4枚。「中学校・高等学校の玄関」「小学校校舎の一部・テラス」「中学校・高等学校の図書館」「松林に囲まれた校庭と校舎」まさに、絵はがきになる日常が、そこにはありました。
 
学校は、日々がドラマチックで、どこを切っても絵はがきになる日常だとも言えます。そのドラマでは自らが主役となって生きていくことが大事です。日々の生活や学びを充実したものにしていくためには、自分で考え、自分で決める経験をたくさんすることです。そして、自分と他者とのかかわりやつながりを意識しながら、共に生きる社会を創るために学んでいきます。湘南学園からどんな子どもが育っていくのか、これまでにどんな人が育っていったのか、きっと、たくさんの絵はがきになるような日常があり、数々のドラマがあったのだと思います。その数々のドラマが湘南学園ブランドとなって脈々と鵠沼の地に流れ続けているのだと思います。これから、100周年に向けて、その流れが澱んだり、途絶えたりすることなく、勢いのよい清流となることを期待したいと思います。「湘南学園絵葉書」復活版をいつか作れるといいですが、今どきは絵葉書ではないかもしれませんね。