湘南学園創立91周年に寄せて
11月9日(土)フラワーガーデンに91周年の花文字が咲きました。サポーターズと理事会の皆様、事務局の方々が創立91周年を記念して労作してくださいました。11月15日で湘南学園は創立91周年を迎えました。全国的にみても大変ユニークなPT共同経営を継承し、91年という長きにわたる歴史と伝統を育んできた湘南学園は、幾多の苦難と危機をチーム湘南学園で乗り越えて今日があります。これからも同様、ケアと対話を大事にしながら予測が難しい未来に向けて、荒波を乗り越えていきます。
昨年の創立90周年記念事業から早いもので1年が経ちました。91周年の花文字を見ると、湘南学園に関わる方々の献身的な協力によって盛大に行われた昨年の記念事業が思い出されます。「つなぐ・つながる」というテーマは、今年度も意識して取り組んできました。周年行事の年だけでなく、周年行事の年をきっかけとして日常化することが肝要です。
持続可能性を教育の柱にしている湘南学園にとって、総合学園としてのつながりを発展させていくことは重要なテーマです。次に迎える大きな周年行事である創立100周年に向けて、総合学園としての希少性のある教育活動と安定的な経営をしていかなければなりません。社会の変化は大きく、複雑さを増し、しかも加速度的に早くなってきました。建学の精神の実現を念頭に置きながら、しっかりアップデートしていくことが求められます。
学園生には、どのような社会になろうとも、適応していくことのできる基礎学力と思考力・判断力・表現力・実践力などが身につくようにしていかなければなりません。また、全学ユネスコスクールとして平和と人権、ESDに取り組むことは、持続可能な社会創りには欠かせない力と生き方を身につけていくことにつながります。
先日、小学校で高校生が授業をしたそうです。その時の様子を小学校の岩渕校長先生が通信で知らせてくれました。
今日の先生は、高校1年生の5人組です。小学5年生に環境についての授業をしにきてくれました。「みんな、こういうのを見たことある?」「なんだそれ?」「あ、あるある!」
「ふたを開けると中はこうなってるんだけど」「あけたの!?」「そうそう、これはグリストラップっていうんだ」「グリストラップ?」「このグリストラップというのは、生活排水はいすいに入ってるゴミや油がそのまま流れ出るのを防ぐ装置で、ここでまず大きなゴミを取り除き、次の水槽で油を分離して、第三槽でさらに分離して、下水道に流して海にいきます」
「それ、どこにあるの?」「飲食店にはみんなあるよ。法律で、これ作らないと営業できないから」疑問にすぐ応えます。よく調べてあります。この高校生チームは、ユネスコスクールとして学園で取り組くんでいるESDをひろげるため、小学生に授業をするというミッションを自分たちで考えました。そして、自分たちで小学校に依頼して、自分たちで授業を行いました。学びは、人に与えられるようになったら本物です。
湘南学園ならではの光景だったと思います。小学校に行くと、時々中高生の姿を見ることがあります。高校2年生も家庭科で幼稚園実習を行います。高校生と幼稚園児の触れ合う姿、一緒に遊んだり活動したりする姿、思わず笑顔になります。高校生もいつも以上に優しい気持ちになって帰っていくのだと思います。
こんな素敵な活動ができるのが湘南学園の強みでもあり、希少性でもあります。こういうつながりを増やしていくことは、人と関わり、相手のことを考え、様々な違いを受け容れ、生きていくうえで大切なことを学ぶ貴重な機会になります。湘南学園でなければできない、湘南学園だからこそできる、そんな活動を充実させて、これまで以上に、湘南学園に入ってよかった、他の人にも勧めたいと思ってもらえる学園として発展していくように努力していきたいと思います。創立100周年に向けて歩み続ける湘南学園へのご支援とご協力を引き続きよろしくお願いいたします。