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第28回 西日本豪雨による甚大な被害に接して

2018年7月11日

 西日本を中心とする豪雨による各地の甚大な被害の状況に、言葉を失う思いで接するばかりです。数十年に一度という凄まじい豪雨により、大規模な土砂災害や河川の氾濫が一気に広がりました。多数の住宅や地域の生活基盤が根こそぎ破壊され、大切な人たちの命が次々と奪われました。犠牲になられた住民の皆様の御冥福を心よりお祈り申し上げます。今回はこのニュースについて取り上げさせていただきます。
 

 広島、岡山、愛媛など、各地の被災状況を伝えるニュースを見るたびに衝撃を受けました。堤防が決壊して地域全体が浸水した光景。大量の土砂が多数の民家を押し流した光景。橋が一掃され、道路が寸断された無残な姿。もしも身近に直面していたら、どんなに恐ろしく打撃を受けることでしょう。

 さらに今も気温が上昇して猛暑や熱帯夜が続く中で、自宅の片付け作業に取りかかる住民の方々のご苦労や、飲み水やトイレ用の水を得るために数時間も並ばれるご負担は、どんなに重く深刻なことでしょう。

 行方不明者の捜索と救助が懸命に続けられています。消防、警察、自衛隊。海上保安庁など数万人の皆様が携わっておられます。各地に避難所が次々と開設されており、様々な公共機関やNPO、民間企業、幅広い有志の方々の支援の輪が広がっています。

 本校が中学3年生の研修旅行でお世話になってきた、山口県の周防大島と周辺の島々の皆様も大きな被害に直面されたことが伝えられました。中高の生徒会では、総務委員会やクラス委員会でこの問題が取り上げられ、自分達に出来ることを考えて実行しようとの意見が出ていることも聞きました。
 

 日本列島に暮らす人びとは、祖先の時代からずっと自然災害と向き合ってきました。被災からの復興に力を合わせて取り組み、備えの知恵や予防対策を深めてきました。「未災地」にいても決して油断はできないのです。

 まず被災地におきた事実、そして懸命に生活される住民の姿をしっかり知ることが出発点だと思われます。次世代の子どもたちには、大切な家族や地域のことを改めて振り返り、周囲の人達と協力して暮らしていく気持ちを深めてほしいと思います。