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第39回 平尾昌晃先生と湘南学園

2018年9月26日

 今日は前回の続きです。平尾昌晃先生と湘南学園との関りについて、とてもお世話になった経緯を中心にご紹介したいと思います。
 

 『ザ・ドキュメンタリー』の平尾先生・特集番組では、湘南学園のことがくっきりと出る場面もあって、ドキドキ嬉しくなりました。
 小中学校時代の同級生だった高嶋浩さんが、いつも仲良く遊んだ平尾少年の広大な邸宅を案内され、当時の懐かしい思い出を語られました。

 取材スタッフは湘南学園まで移動し、カフェテリアのある80周年記念館の同窓会事務所が登場しました。やはり同級生だった佐藤栄子さんが、当時の写真で可愛い平尾少年を指して、「決して目立つタイプの生徒ではなかった」と語られたのには驚きました。

 一方エルビス・プレスリーのレコードを一緒に聴いたという同級生の竹山雅崇さんからは、すぐに颯爽と歌い出し、周囲のダンスも誘った平尾少年の姿が語られます。強い憧れから練習を重ねて数年後にはステージに上がり、甘いマスクやよく通る声から「和製プレスリー」と呼ばれる人気者となった平尾青年が、ポール・アンカの自ら作曲する様子に触発され、歌作りも始めた経緯も紹介されました。
 

 平尾先生は、湘南学園時代のことをずっと懐かしく大事にされ、様々な想い出をよく周囲の人たちに語り続けられました。学園を「永遠の学び舎」とも表現されていました。第一線で長く大活躍された多忙な日々でも学園のことを忘れずに、何か機会があれば貢献したい、と大きな母校愛を抱き続けて下さいました。そして学園のためにご尽力いただきました。

 創立70周年の時には、記念曲として『夢に向かって』という素敵な新曲を創っていただき、当時の中高合唱部の生徒達を指導して下さいました。

 数年前には平尾先生のご紹介により、手話を通じて音楽やダンスの楽しさを伝えるパフォーマンスで著名な「HANDSIGN」の皆さんにご来園いただきました。米国の名門アポロシアター優勝も経て、全国のろう学校や小学校を廻るダンスレッスンや震災復興プロジェクト参加も行うアーティストです。HANDSIGNの公演やワークショップは、学園生や保護者にも素晴らしい感動を与えてくれました。このご縁も平尾先生のご推挙によるものでした。

 2013年11月の湘南学園創立80周年では、盛大な記念音楽祭が開催されました。そのクライマックスは、湘南学園アリーナを満員にしての大チャリティーコンサートでした。

 「歌で繋ごう未来へ」をテーマに、舞台と客席が一体となったライブショーでは、平尾先生のリードで合唱部やダンス部、有志グループから教員達まで熱演に加わるサプライズの展開でした。平尾先生はロカビリー時代の衣装でも熱唱され、終戦直後から~平成時代までのポピュラー音楽の歩みが熱くたどられました。参観者は実に1100名。生徒・教職員・保護者・卒業生・地域の方々などが大勢集まって、皆で歌って踊る、多彩で楽しく感動的なコンサートになりました。平尾先生は観客席にもどんどん入って全体をリードされ、「音楽はみんなで楽しむもの」というメッセージを力強く届けて下さいました。

 その後も平尾先生は、福祉コンサートや施設慰問、楽器寄贈などの福祉活動で全国各地に足を運ばれました。2016年7月7日には平塚にて『七夕まつり前夜祭』でチャリティーコンサートが行われ、平尾先生の熱演により感動的なステージとなりました。中高合唱部が再びステージで共演の機会をいただきました。ここでも湘南学園同窓会や後援会のサポートをいただいています。
 

 このように、湘南学園に寄せていただいた平尾先生のご功績はとても大きく、感謝の念にたえません。自ら選んだ道を生涯を通して追求し、いつも朗らかに周囲の人達を大切にしながら、仕事を通して社会への貢献を忘れずに歩まれた先生の人生から学び続けていきたいと思います。