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第46回 中高生徒会主催・被災地視察報告会

2018年10月20日

 今回は、先週土曜日に中高ホールで開催された、生徒主体のイベントを紹介します。

 「2018春・夏 生徒がたずねた被災地・・・視察報告&学習報告会」というテーマで、高2と高1の生徒会総務委員の諸君を中心に「いま、僕らが伝えたいこと」と題する報告がまず行われ、これにもとづく参加者の意見交換会が設けられました。

 報告会では、3つのコースについて、パワーポイントで写真も活用した明快なレポートがなされました。まず今年3月に東北岩手を訪れ、視察とボランティアに取り組んだ諸君、続いて今年8月に熊本を再訪して阿蘇市や益城を視察し、地震直後に臨時避難所を開設して運営に取り組んだ熊本県立大学の方々や益城町でボランティアに取り組んだ薬剤師チームの方々との交流・学習を行った諸君、そして西日本豪雨に見舞われた山口県周防大島(中3研修旅行の民泊や体験学習でお世話になってきた地域)で全壊と判定された家屋のボランティアに取り組んだ諸君らによって、レポート発表が行われたのです。

 どのコースも、生々しい写真にもとづいて、住民の方々の暮らしや支援活動の現状、行政対応をめぐる困難や矛盾など、問題点を整理した判りやすい内容でした。生徒会防災委員会の防災対策チームから、学校側に示された提言書も紹介されました。被災者の生活と人権について真摯に向き合う姿勢に心をうたれました。

 第2部の意見交換会では、「これからをどうするか」をテーマに、防災の在り方や避難訓練の実施について考え、「もし湘南地域が被災地になって学園が地域の避難所になったら何が必要なのか」など、実際に視察した生徒諸君だからこそ、次に生かせることを真剣に話し合う時間となりました。

 本日の会には、中高生や教員、他校生や関係者の方々、理事長や副理事長を始め保護者理事の方々など、おおぜいの人達が参集して下さいました。
 生徒諸君は、レポートをきちんと受けとめる学園関係者の姿勢にも励まされ、一般生徒のみんなにも更に課題意識を伝えて共に行動していきたい、と決心を深めていました。

 実は数年前、中高卒業生の先輩諸君の中で、高2研修旅行の1コースとして東北の被災地を訪問した諸君が、そこで見て聞いて学んだことを旅行後も伝えていきたいと「東北部」を発足させ、活動した貴重な軌跡があります。

 中高教員側にも報告・提議を行ってくれ、下級生など在校生にもプレゼンの機会を設けてもらい、同窓会や近隣自治会にも発信して、近隣住民の方々にも参加していただく報告・意見交換会を主催してくれました。
 私たちの暮らす地域も、「未災地」であって、「他人事」にしてはいけない。
 どんな大きな問題も「自分事」として受けとめよう!という当時の彼ら・彼女らの呼びかけ、その強い当事者意識に感銘を受けました。

 こうした学園生の問題意識や行動力をしっかりと受けとめ、「持続可能な未来の担い手を育てる」という、ESDの学校づくりを一層推進していかなければならない、と教員側の自覚を深める機会ともなりました。