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第48回 創立85周年・未来志向の記念行事

2018年10月27日

 前回の通信では、湘南学園の草創期の歩みについてお伝えしました。
 激動する時代の節目や学内の様々な困難を乗り越え、教職員と保護者の協働による運営が続けられ、本学園はここまで85年間もの歴史を重ねてきたのです。今回は特に近年の歩みを振り返って、湘南学園の現在の課題についてふれたいと思います。
 

 湘南学園は、幼稚園・小学校・中学校高等学校を併せ持つ、男女共学の総合学園です。各パートではいつもお預かりした学園生たちの成長を願って、時代の課題に応える教育を追求してきました。
 一方で、総合学園としての学校間の相互理解や教育実践の連携に弱さがあることも、おりにふれて指摘されてきました。「十五年間の一貫教育」の視点を全学で深め合い、連帯感を強めて総合学園の内実を豊かにしていく課題がありました。
 

 今世紀に入ってからすでに約18年間が経っています。様々な困難もありましたが、「チーム湘南学園」の形成へと合意が広がりました。
 同窓会との協力関係が再構築され、後援会も発足されて教育支援を強化して下さいました。PTAは独自性に富む新しい活動を展開されました。
 創立80周年の節目では、音楽祭やホームカミングデイなど記念イベントが同時に開催され、80周年記念館が建設されました。
 その中核となるカフェテリアは、食育の志を掲げるNPO法人・湘南食育ラボによって開業されました。教育振興基金が創設され、同窓会を中心にグローバル教育やキャリア教育への支援を重ねて下さいました。
 「子ども達の成長を願ってみんなで創る総合学園」という建学の志が、新たな形で体現される展開でした。

 その中で、中高は総合学習を深めてユネスコスクールに加盟し、スーパーグローバルハイスクールの準拠校に認定されました。小学校は建築コンクールで最優秀賞を得た新校舎を建てて教育研究を進め、エコスクールにも認定されました。幼稚園はきめ細かな保育が期待と支持を広げ、その預かり保育は小学校のアフタースクールとともにご家庭保護者の切実なご要望に応えてきました。
 

 ここで、この約10年間に着任された歴代の学園長先生から頂いたご教示について、僭越ながらご紹介したいと思います。

 第8代学園長の藤岡貞彦先生は、「対話と傾聴」の重要性をいつも諭され、「青い鳥の棲む一つの村に」と学園のルネサンスを呼びかけられました。建学の精神を踏まえたグローバル時代を踏まえた教育の課題について、「世界に通じる、良識ある市民の育成」の視点を提唱されました。

 第9代学園長の仲本正夫先生は、全学的な教育実践の交流と相互理解の前進を重視され、幼小中高の「全学教研」の発展を推進されました。運営協議会を軸に全学的な情報共有と協議をリードされ、勤務時間等の改革でも尽力され、多彩な80周年記念事業の実現で貢献して下さいました。

 第10代学園長の川井陽一先生は、建学の精神を教育史の観点から改めて掘り下げられ、学園の将来像として「世界標準」「リベラルアーツ」を重視し、堅固な国語力の育成を土台に教育の充実を提唱されました。リスペクトと協働によって子どもの成長を支える教員の使命を説かれました。
 

 これらの経緯をふまえて、湘南学園は創立85周年の節目にあたり、この先に待つ90周年~100周年を見すえて、今後の準備や行動の機となるような全学集会を来月に実施し、いくつかの記念事業を行います。
 創立記念日にカフェテリアで行う「85周年記念のつどい」では、未来の学園を担う若手教員や中高生徒会代表のスピーチもお願いし、「学園の現在と未来」、特にこの先5年間の努力目標や将来像について共通認識を深め、学園関係者の希望と展望を共有できる機会にしたいと願っています。

 また各校の募集や全学アピールに寄与する85周年記念の対外広報を行い、全学的な協働事業の1つとして『85周年花文字記念のフラワーガーデン造り』をPTAサポーターズクラブを中心に実施して頂きます。
 そして同窓会のご協力を受けて、幅広い世代の卒業生から学園教育と学園生へ向けてホットなメッセージを多数寄せて頂き、冊子等にまとめて学内の皆様にお届けします。必要な経費について学内に特別募金もお願いして実現する予定でおります。キャリア講座や交流会など卒業生の参画を、これから継続的に広げていきたいと考えています。
 

 厳しい未来予測が様々な方面から指摘される現代ですが、湘南学園は社会の変化も見すえて建学の精神を深め直し、持続可能な社会の担い手として活躍し貢献できる人間の育成を期して、この歴史的節目も生かしながら、総合学園としての教育の発展をはかっていきます。