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第49回 ガミガミ叱らず、上手にほめるコツ

2018年10月31日

 秋は駆け足で進んでいきます。しばらくそのままでと願っても、「初秋」から「晩秋」までは本当に足早です。長袖が主になり、靴下も上着も厚手になり、朝晩は暖房が恋しくなります。「あれもう冬が近そう」と感じるのはそう遠くないのです。少しでも機会を得て、愛しい秋を満喫したいものです。
 

 今回は、子育てに関連して、先日観たTV番組の題材から取り上げさせていただきます。『助けて!きわめびと』(NHK総合・土曜日9:30~9:55)という番組をごぞんじですか。<ガミガミにさようなら!親も子もハッピーになる子育て術>というテーマでした。

 日頃「叱り過ぎる」ことを後悔する親御さんは、世間でとても多いはず。そこで番組は、教員歴23年の教育評論家・親野智可等氏が、「叱らずにほめる工夫」により、子どもも保護者も気分良く過ごせる子育てのコツを伝授する、という設定でした。たしかに「同じことを何度も何度もガミガミ叱る」悪循環になって悩むお母さんやお父さんは少なくないことでしょう。有効な実践アドバイスが期待されました。
 

 「極意の1」は、「叱るより、ほめの先制攻撃」です。先にほめて子どものやる気や自主性を引き出す工夫でした。

 まず「部分でほめる」こと。テストやお手伝い、お片付けなど身近な所で、小さいことでもいいからほめる。良いことを見つけようとする意識が大事です。子どもの字や絵も、部屋での様子も、全てが対象です。

 次に「チームでほめる」こと。学校の先生や祖父母などと一緒に、同じことを皆でほめてあげると、子どもにとってきっと自信につながります。

 さらに「時間でほめる」こと。忙しくてつい忘れがちになるので、携帯電話をセットするなどして決まった時間が来たら良いところを探してほめるのです。一日ひとつはほめる、という習慣化が雰囲気を作っていきます。ふだんはやらない食器の片付けを進んでやったり、またほめる材料が広がったりします。
 

 「極意の2」は、「<見える化>で叱りをなくす」ということでした。子どもが日頃やるべきことを見えるようにして、子どもがなるべく自主的にやるように仕向けることで、叱る場面を少なくしていく工夫です。

 ある家庭ではホワイトボードにやるべき日課や生活習慣を書いたマグネットを貼っていて、出来たらその都度子ども自身が裏返します。裏には「OK」「やったね」などメッセージを子どもが書いて、達成感を感じた結果、叱る回数が激減したそうです。帰宅したランドセルの中身を段ボール箱に全部出し、教材・宿題や家庭に届けるプリントなどを「見える化」した方法もとても効果的だったそうです。
 

 言葉ではなかなかほめられない、思春期に入って難しいというなら、「書き言葉でほめる」も有効です。メールやLINE、一筆箋などで、「いつも~を頑張っているね」「この前~してくれてありがとう」などとコメントするのです。もらった方が繰り返し見ることができるのも利点です。
 この方法は中学生や高校生にもとても有効だと思われ、自分も保護者の方々によくお伝えしてきました。

 いろいろヒントに気づいて「これなら明日からやってみよう」と触発されることの多い助言であり、わが子だけでなく周囲の様々な人たちとの関わりでも参考になる視点がいろいろありました。