第52回 幼稚園年中さんと小学校5年生の交流
湘南学園が幼小中高を併せ持つ総合学園の利点を生かして、ごく最近実施された素晴らしい教育実践について本日は紹介いたします。
幼稚園の年中組の園児たちと、小学校5年生たちの間の交流企画です。
5年生の先生から年中さんの先生へ「お弁当だけでも年中さんと一緒に食べることができないかな」とまずお声がけがありました。1学期は日程の調整が難しくて見送られたのですが、2学期にはぜひかなえたい!と様々な努力があり、小学校の「体育表現まつり」と「音楽会」という大きな行事の合い間で、双方が参加できる時間帯を得て、11月6日に実施する運びとなったのです。
ぜひやってみたい!と5年生たちが次々と名乗り出て、具体的な話し合いを始めました。あれこれアイデアが出され、それをまとめて幼稚園の年中の先生のところへ相談に行きました。様々な助言をもらい、年中さんとの関わりで心掛けてほしいことなどもお聞きしました。
年中さんをピロティーにお迎えし、教室の準備を別に行い、教室で出会うとまず音楽会で発表予定の歌が披露されました。園児たちは5年生のコーラスにきっと感動したことでしょう。
当日の企画委員の児童がクラスの司会を行いました。レジャーシートを用意してお弁当を一緒に食べる場面もさぞ楽しかったでしょう。
そしてお弁当の片付けができたクラスから、今度はゲームが行われました。「いろいろみっけ♪」の問題は生活班が分担し、当日の出題も班のメンバーが行いました。3択クイズやヒントの出し方や絵カードの準備など、5年生たちは年中さんに思い切り楽しんでもらおうと工夫を重ねたのです。「どコーン、ボールみっけ」のゲームも時間調整用に用意されました。
私が見学できた時間帯はごく一部でしたが、5年生の意気込みと年中さんの歓声、幼小の園児&児童のふれあいの様子は異校種交流の貴重な光景でした。
3クラスに対して年中さんも3グループに編成されて実施されました。
「自分たちで考えてやりたい!」と企画担当の有志の5年生たちは、どうしたら楽しんでもらえるかと考えながら当日を迎え、全体をリードしてくれました。園児がトイレに行く時など進んで引率するフォローの様子も頼もしかったです。園児たちに目線を合わせて話す5年生姿に幼稚園の先生方も心温まる思いを重ねました。
ここでの5年生としてのリーダー経験は、今後の「雪の学校」や6年生の「修学旅行」にもつながっていきます。小学校の最上級生として自覚を強めて活躍する場面にも生かせる貴重な経験となったことでしょう。
(追伸)実はこの後に素晴らしいドラマがあったことを伺いました。
お姉さん、お兄さんのおもてなしに感激した年中さんの女の子が、お礼のお手紙を書いてきたそうです。そしたら「私も」「僕も」とほかの園児達も手紙を書いたり折り紙をしたりして「お礼に行きたい!」となったのです。
昨日お世話になった5年生の教室に皆で行きました。その知らせを聞いた5年生は「迎えに行く!」と準備をして張り切って到着を待っていてくれました。年中さんはお礼の手紙などを一番お世話になったお姉さんやお兄さんに渡し、さらに小学校ホールへ行って鬼ごっこなどして一緒に遊んだそうです。
同じ湘南学園の中で生活する5年生と年中さんの素敵な交流ドラマです。お礼を形にして届けたい!という園児たちの自主性、それを優しく受けとめてくれた児童たちの懐の深さ。学園関係者の皆さんはもちろん、広く学外の方々にもお伝えしたい学園生たちの姿です。