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第56回 小春日和~紅葉・黄葉の美しさ

2018年11月24日

 毎年この時期、思い浮かぶことばに、「小春日和」があります。
 晩秋から初冬にかけて、暖かく穏やかな晴れの日に恵まれると、気持ちが和やかになります。そんな「小春日和」に楽しみたいのは、季節を彩る紅葉や黄葉の美しさではないでしょうか。今日はこのテーマにふれたいと思います。
 

 「紅葉」といえばモミジ、「黄葉」といえばイチョウが代表的な樹木だと思われます。いろんな樹木がそれぞれ独特の味わいを持ちますが、「ナンキンハゼ」は特に惹かれる樹木の1つです。

 ナンキンハゼは、中国原産の落葉高木でハゼノキと同様にロウを採るのにちなんだ名前です。夏に長い穂の形をした黄色い花が咲きます。花の後にできる実は秋に黒く熟してはじけます。中から3個の白い種子が顔を出します。果皮が落ちても種子は長く枝に残り、様々な鳥が食べることで周囲に散布されるそうです。この実から油を取り出してロウソクを作ることもできるそうです。

 写真の葉っぱは、数本のナンキンハゼから落ち葉を拾って、黒いテーブルに並べてみたものです。赤、茶、黄、さらに緑までいろんなバリエーションがあって驚かされます。葉っぱも独特の菱形がとても可愛いです。
 童謡の名作「ちいさい秋みつけた」の最後の方に、“はぜの葉赤くて入日色”という一節があるのも思い出されます。
 

 この時期の王者ともいえる、「イチョウ」にも改めて敬意を表したいです。

 黄色く色づいた銀杏並木の美しさは格別です。銀杏の樹木は世界中に分布するそうです。長寿で成長すると巨木になります。葉の形はアヒルのようで樹皮も独特です。油分を含み水はけが良く材木としても広範に利用され、まな板などは高級品だそうです。街路樹として別格であり、全国各地で数十万本も植えられ、樹種別では最多本数を誇るそうです。
 「ぎんなん」の実がおちる頃は、あの臭いが独特です。ぎんなんの実をどっさり拾いに来る人びともいます。
 

 今年は台風や豪雨の影響が大きく、紅葉・黄葉の名所が各地で打撃を受けました。個人的にも外出の機会がなかなか得られず、あせりを感じています。

 例年、立川市の「国営昭和記念公園」や横浜・関内の「日本大通り~山下公園」の一帯などによく出かけます。神奈川・東京には紅葉・黄葉の名所が数多くあります。「明治神宮外苑」などテレビで頻繁に登場します。真っ青な空に輝く銀杏の黄色いラインと歩道いっぱいの黄葉のじゅうたんは、圧倒的に美しい光景を届けてくれます。
 

 学園生の皆さんの居住地にも、ご地域自慢の紅葉や黄葉のスポットがあるのではないでしょうか。秋の芸術ともいえるこうした風景に、身近な街や公園でも気をとめてほしいなと思います。ご家族の人たちや友達どうしでゆっくり散歩する楽しい経験を重ねてもらいたいです。