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第57回 学園カフェテリアは開業5周年!

2018年11月28日

 湘南学園カフェテリアは、先日開業5周年を迎えました。今回はカフェテリアが発足した時期の、関係者の皆様の願いとご尽力について改めて振り返り、ご紹介したいと思います。
 

 2013年、創立80周年記念事業の一環で、広範な学園関係者の特別募金などのご支援を受けて、「80周年記念館」が完成しました。
 その中核となる「カフェテリア」は、試食会や事前生徒指導、記念祝賀会のお披露目などを経て、学園全体の食と憩いの新たなスペースとして、11月20日にオープンされました。“天高く馬肥ゆる秋”、“食欲の秋”という言葉にふさわしい時期の開業でした。

 このカフェテリアの設立の背景には、新たな教育の願いがありました。
 「チーム湘南学園」の中心だった皆様は、学園にふさわしい大きな志を掲げられました。育ちざかりの学園生ができるだけ安心で安全な食材で美味しい献立に恵まれるように、また食の飽和と貧困が混在する現代において、建学の精神に照らして「食育」をこれから本格的に推進していけるように、との願いを根底に持たれたのです。

 そのため、近隣や首都圏各地の「学食」の見学視察や様々な運営方式の比較検討をされました。80周年実行委員会・常任委員会・事業委員会と理事会では長期にわたる検討を重ねました。
 そしてその運営については、独自のNPO法人を起ち上げて、関係者の総力をあげた自主方式の運営をスタートさせることになりました。
 

 在校生・卒業生の保護者やご専門家が参画され、配食スタッフにも入られ、衛生講習会参加など様々な準備を重ねられ、NPO法人『湘南食育ラボ』の設立が認可されました。
 食器やメニューの選定、販売方式などが検討されるとともに、授業や総合学習との連携をどう図るかなど、当時ユネスコスクール加盟をはたした中高パートの教育課題と合わせて、教員と保護者の話し合いが重ねられたことが特筆されます。

 開業へ向けた全校アンケートも行われました。カフェテリアの構想をめぐる内容があり、次に当面の利用頻度等の見通しから出食数の概要を把握し、中高別の曜日分けなども当初は模索されました。生徒対象のガイダンスでは動線の理解やマナーなどが指導されました。
 まず中学生・高校生のランチ利用が根幹であり、在校生と保護者の理解と旺盛なご利用が期待されました。日々の出食数に見通しがつくと食材の仕入れや調理計画もスムーズに進められます。お弁当中心のご家庭にも週に何日かはご利用頂きたい旨お願いしました。

 卒業間近な高3生の皆さんには、在校時の利用が限られることを考慮し、受験勉強の応援もこめて「軽食タイム」が追加されました。卒業後は同窓生として気軽に利用し、仲間との旧交を温めてもらえたらと願いました。よく利用してくれる在校生にモニターの協力もお願いしました。
 

 こうして湘南学園の生活に新たな食と憩いの画期的なスペースが誕生しました。各自が事前に入手した「ラボカード」を使って注文します。現金は使わないのでスムーズでした。お母さん達手づくりの温かいランチを囲んで談笑する生徒達の様子が広がりました。屋外のウッドデッキで食事する様子もありました。当時校長を務めた自分が「お味はどう?」と尋ねて廻ると、口々に「美味しいです」の返事があり、笑顔で写真に応じてくれるグループに恵まれました。
 こうして在校生や卒業生が学園関係者が、誘い合ってカフェテリアで美味しいランチを楽しみ、くつろいでもらえる素晴らしい光景が出現しました。